退職の”押し引き”を防ぐために!オンボーディングという取り組み方

企業が採用活動を行う理由はさまざまですが、「退職者の補充のために採用を行う」ということも多いのではないでしょうか。
その場合、そもそも退職を防ぐことができていれば、発生しない手間だったかもしれません。
そして退職理由が「企業とのミスマッチ」や「思っていたものと違う」といったものだったらなんだかもったいないですよね。
今回は、そんな退職を減らすヒントとして「オンボーディング」という取り組みをご紹介していきます。

退職の決定打となる要因とは

退職の最終的な決め手として「押しの要因」と「引きの要因」があると言われています。
「押しの要因」とは、「辞めてもいいや」と感じる職場の雰囲気、発言のことです。
人間関係がぎすぎすしていてやりにくいと感じる雰囲気や、経営方針がころころ変わって将来の見通しが立たない状況がそれにあたります。
「引きの要因」とは、「あなたが必要です」といったような社外からの魅力的なオファーのことです。
たとえば、気軽な気持ちで登録した転職サイトから「年収が○%アップする可能性があります。」とメールが送られてきた状況などです。
こういった押し引きの環境におかれると、人は転職を考え始めます。

オンボーディングとは

オンボーディングとは「職場に配属された社員が早期に活躍できるよう、組織としてサポートするしくみ」のことです。
この言葉は機内や乗船という意味をもつ“on-board”から派生して生まれました。
大切なのは「組織としてサポートすること」。
ここには、仕事のやり方を教えるだけではなく、気持ちよく社内で過ごしてもらうための情報も共有するということも含まれます。
たとえば、企業が大切にしている価値観や業務に必要な知識の収集方法の伝達、さらには備品の保管場所など「困ったときはこの人に聞けば大丈夫」、「なにか聞きたいことがあったらここに連絡して」などのお助け窓口の紹介を行います。
オフィス周辺のランチ情報を共有してもいいですね。

「押しの要因」をなくす可能性

オンボーディングは、上記の「押しの要因」を失くすことができる取り組みとして非常に有効であると考えられています。
小さな不満やわからないことが社内の人に聞けず、積もり積もって辞めていく…。
そんな事態を招かないよう、「私たちの組織はこんな考え方をしていますよ」と示すことが大切です。
ミスマッチなどはかなりの確率で防ぐことができると思います。

新卒組、中途組問わず、オンボーディングを行うことで退職を防ぐことができる可能性があります。
現状の取り組みを見直しつつ、参考にされてはいかがでしょうか。

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坂田 ひとみ株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

大学では臨床心理学を専攻し、メンタル不調に陥る前にできることはないのか疑問に感じました。働く世代のメンタルに興味をもつ中で「産業保健」という分野のドクタートラストを知り入社。医療職でなくとも働く世代を支えることができる仕事にやりがいを感じ、日々業務に励んでいます。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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