HSPという言葉を聞いたことがありますか?
何かの略称かな?と思った方、その通りです。
HSPとは「Highly Sensitive Person」の略で、生得的な特性として、高い感覚処理感受性を持つ人のことをいいます。
HSPってどんな人?
わかりやすく言うと、「とても敏感(繊細)な人」です。
この名称は、1996年(比較的最近ですね)にエレイン・N・アーロン博士が考案しました。
この性質は遺伝的であり、人間以外の生物にもみられることがわかっています。
共感力が強いがゆえに、ちょっとしたことも気になってしまったり、あれこれ想像を働かせてしまったり、慎重になりすぎてしまったり……。
今これを読んでいる方の中にも、「なんでこんなに人のことが気になるのだろう」、「いつも慎重になって、自信がない」、「自分は我慢強くない」なんて気持ちを抱いて生きている人もいるのではないでしょうか。
なんだかネガティブな気持ちになりますよね。
それはきっと、世の中が「慎重な人」や「敏感な人」とは真逆のキャラクターを良いものとして扱っているから。
世間の良いイメージに自分を合わせようとして無理をしたり、本当の自分とのギャップに苦しんだり、ある意味現代はHSPには生きにくい社会なのかもしれません。
HSPのいいところを探そう
生きづらいと感じている人は、自分を認めてあげるところから始める必要があります。
あらゆる場面でプラスに働く性格なんてあると思いますか?
逆はどうでしょうか。
ネガティブな部分だけ切り取って、自分はそうなんだと思うのではなく、自分の個性が生かせる場面についても考えてみることが大切です。
◎慎重な性格
→計画的に物事を進める際には重要な能力である
◎敏感な性格
→共感力が高く、感情移入が得意である
(実際にHSPは非HSPよりもミラー・ニューロン・システムを含む、共感を司る脳の領域が活発であるとわかっています)
視野を広げることで、自己肯定も高まるはずです。
一見HSPに見えない人もいる
HSPの他にHSS(Highly Sensation Seekin)と呼ばれる人々もいます。
HSPとは逆に、刺激を求めてしまうという特徴があり、性格的に熱しやすく冷めやすい傾向があります。
HSPの人、HSSの人、そしてHSPかつHSSの人もいます。
刺激に敏感であるのに、刺激を求めてしまうということです。
2つの特性を持つ場合、それらは相反するため、かかるストレスは大きなものとなります。
といっても、あまり自分をラベリングする必要はありません。
「HSPだから」「HSSだから」と意識しすぎると、自分の言動をそれに当てはめようとしてしまいます。
そうではなく、生きづらいと思った時、「なぜそう思うのか」ということを知り、自己肯定のきっかけにするくらいでいいのです。
ぜひ視野を広げるための知識にしてください。