昨今、ニュースなどで巷を騒がせている「サマータイム」。
ヨーロッパやアメリカを中心に、今現在も行われている制度ではあるのですが、日本ではなじみがありませんね。
今回は、そんなサマータイムについて簡単にご説明します。
サマータイムとは
サマータイム(夏時間)とは、日の出時間が早く、日照時間が長くなる夏の間(おおよそ3月~11月)に1時間時計を進めるというものです。
冬季の間、朝6時に起床していて、サマータイムに入り時計を調整しないまま同じ6時に目覚ましをかけた場合、実際には7時になっているということです。
お仕事がある日だったら1時間の遅れは危険ですね!
なので、ヨーロッパ諸国の多くは3月の最終日曜日の午前2~3時に時間の調整がされます。
土曜日の夜就寝し、日曜日の朝起床すると、1時間早まっているというわけです。
筆者はノルウェー留学中にこのサマータイムの切り替えを体験しましたが、休日である土日に実施されると案外すんなり適応できます。
日本での導入
実は日本でも、過去にサマータイムを実施したことがあるのですが、ご存知でしたでしょうか。
戦後1948年~1951年の3年間だけ、占領軍の指示で導入しました。
しかし、日本列島は南北に長く、ただでさえ地域によって日照時間の差が激しい国ですから、日本全体でサマータイムを導入・実施していくには少々厳しかったようです。
サマータイムは、ヨーロッパ諸国やオーストラリア・ニュージーランド(こちらは冬に日照時間が長くなるので実施期間が異なりますが)など緯度が高く、夏季・冬季の日照時間の差がある国に有効な制度といえるでしょう。
メリット・デメリット
もちろん、メリット・デメリットもありますので、いくつかご紹介します。
メリット
- 照明の節電ができる
- 午後の明るい時間が増えることで消費活性化が見込める
- 時間を有効活用できる
デメリット
- サマータイムの切り替えにコストがかかる
- 交通機関のダイヤを切り替え、変更する必要がある
- 残業時間が延びる可能性がでてくる
- 生活リズムの調整が必要
すでに導入・運用されている国にとっては、そこまでデメリットは感じないのかもしれませんが、いちから導入しようとしている日本からすると次のような別の課題も出てきます。
- 時間変更によって社会的に混乱が発生する可能性
- 全国的にコンピュータプログラムなどを変更する必要がある
IT企業にとっては大打撃になりそうな制度です。
サマータイム導入は現実的か
現在日本では、2020年の東京五輪に向けてサマータイムを検討しているということですが、世論は「五輪のために日本全国を巻き込む必要はない」と反対意見が多数なようです。
上記でご紹介したとおり、メリット・デメリットがそれぞれありますので、導入に関して一朝一夕で決めるものではないと思いますが、過去に実施・廃止をしている制度ではあるので、サマータイムを復活させる場合、きちんと検証する必要があると思います。
<参考>
「サマータイム導入に93%が反対「五輪のために日本全国を巻き込む必要は絶対ない」「竹槍の再現になってはならない」」(キャリコネニュース)