産業保健の重要性が叫ばれている昨今、産業医を選任している企業が増えてきていますが、あなたの会社では産業医や保健師契約をしていますか?
「自分の会社は従業員数が50名未満だから、産業医やストレスチェックとは関係ない」と思っている方も多くいるかと思います。
しかし、いまそんな企業の方々だけに出る助成金があるんです!
なぜ小規模事業場でも産業保健体制が必要とされるのか?
そもそも小規模事業場でも産業保健体制を整えることが推進されるのはなぜでしょうか。
事業場規模が小さいほど、労働衛生管理体制の貧弱さが顕著に表れるといわれています。
理由としては、資金的・人的・物質的資源の不足が挙げられるでしょう。
さらに、人数が少ないがゆえに人間関係を良好に保つことがより困難であり、距離を置くという選択肢をもてないこともあり、「プライバシー保護の困難さ(面談室の有無)」、「何かあった際の配置転換対応の困難さ」などの職場環境が心身の健康状態を大きく左右します。
そのため、小規模事業場の場合であっても労働衛生管理体制を整えることは重要とされているのです。
※ 下記の記事で、小規模事業場での産業保健体制がいかに重要であるかをご説明しています。
ぜひご覧ください。
「事業所規模が小さいほど、高まる健康リスク」
平成30年度から助成金の対象範囲を拡大!
独立行政法人 労働者健康安全機構では、平成29年度より「ストレスチェック助成金」や「小規模事業場産業医活動助成金」等の助成金制度が設けられていますが、平成30年度には、「小規模事業場産業医活動助成金」が「産業医コース」「保健師コース」「直接健康相談環境整備コース」の3つのコースに分けられ、助成金対象範囲が拡大されました。
3つの助成金制度を利用した場合、最大60万円もの助成金を受けることができるのです。
今回は「産業医コース」に絞って見ていきます。
助成金<産業医コース>を受け取るための要件
① 小規模事業場(常時50人未満の労働者を使用する事業場)
② 労働保険の適用事業場
③ 平成29年度以降、産業医の要件を備えた医師と職場巡視、健診異常所見者に関する意見聴取、保健指導等、産業医活動の全部または一部を実施する契約を新たに締結している
④ 産業医が産業医活動の全部又は一部を実施している
⑤ 産業医活動を行う者は、自社の使用者・労働者以外の者
上記に該当する小規模事業場であれば、産業医要件を備えた医師と産業医活動の全部または一部を実施する契約を締結し、産業医活動を実施した場合に、6ヶ月あたり10万円を上限に助成金を受け取ることができます(1事業場につき2回限り)。
さらにこちらの助成金は実費支給です!
お得に産業保健体制を整えましょう!
小規模事業場だからといって産業保健体制を怠ることは決して良いことではありません。
労働者が一人でもいる場合、安全配慮義務が必ず生じてきます。
労働者の皆様に、心身ともに健康で元気に働いてもらうためにも早いうちに環境を整え、生産性の向上に繋げていきましょう!
<参考>
独立行政法人労働安全機構「平成30年度産業保健関係助成金」