経団連は11月15日、経団連会員企業約1300社に対し、社員の「働き過ぎ」防止に取り組むよう文書で要請しました。
これは大手広告代理店に勤務していた女性社員が、長時間労働によりうつ病を発症し、
自殺するまでに追い詰められてしまったことを発端として、長時間労働に対する批判が高まったことによります。
日本のうつ病患者数
日本のうつ病患者は、年々増加しており、厚生労働省のデータでは平成23年は約96万人となっています。
これは医療機関にかかっている数ですので、実際はさらに多くのうつ病患者がいると推定されます。
うつ病は、私たちとって非常に身近な病気であるといえます。
うつ病に関しての新発見?!
うつ病治療は、カウンセリングと薬物療法が主となっています。
しかし、最近イギリスのウォーリック大学と中国の復旦大学の研究者によって
うつの肉体的根源を新発見したとの発表がありました。
研究により、うつが脳の眼窩前頭葉皮質という部分に影響し、報酬を受けられないことで、
うつ特有の喪失感や失望感を感じることが分かってきました。
自分の頑張りが他者から認められない等(報酬を受けられない)により、
その報酬を受け取っていない時にアクティブになる脳は、喪失感や失望感、自己否定など、
ネガティブな感覚に関与している脳の部分に接続されてしまうのです。
要するに何が分かったのかというと、
うつが脳のどの部分に深く関係しているのか、また、うつを発症するまでの脳のメカニズムが
解明されつつあるということなのです。
これにより、新たな治療法が確立できるかもしれないとの期待が高まっています。
冬季うつ予防に期待される「GABA」
冬の日照時間の減少にによってひきおこされる
冬季うつ病は、原因がはっきりしています。
産業保健新聞でも以前取り上げましたが、
近年「GABA」による効能が話題となっています。
GABAとはγ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)のことで、植物や動物に含まれる天然アミノ酸の一つです。
GABAを摂取すると、リラックス効果が得られたり、高ストレス作用があるという成果も発表されています。
今後のさらなる研究成果を期待したいところですね。