健康経営が企業を発展させる
- 2017/10/12
- 労働環境
過重労働が原因による自殺がメディアを賑わせている昨今、企業として従業員の健康に配慮することが切に求められている時代です。
さらに行政の後押しもあり、最近では「健康経営」というフレーズを耳にする機会が増えてきています。
しかし、「健康」と「経営」がどのように結びつくかをイメージするのはなかなか困難です。
皆さんは「健康経営」の意味、ご存知でしょうか?
「健康経営とは?」
特定非営利活動法人健康経営研究会のホームページには、「健康経営」の定義を下記のように定めています。
健康経営とは、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」との基盤に立って、
健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味しております。
(参考:「特定非営利活動法人健康経営研究会」(http://kenkokeiei.jp/whats))
つまり、健康経営は、経営面で大きなリターンがある投資である、という概念なのです。
従業員の健康に関心が高い今、企業が発展していく為に、取り組んでみてはいかがでしょうか?
健康経営実施のメリットは?
企業にとって、健康経営を実施すると具体的にどんなメリットがあるか考えてみましょう。
・ 従業員の健康に配慮することで、従業員一人ひとりのモチベーションが上がり、生産性の向上が期待できる。
・ 企業イメージの向上に繋がり、知名度向上への期待ができる。
・ 企業イメージ向上に伴い、優秀な人材の採用に繋がり易い。
・ 従業員の健康に配慮することで、健康診断の有所見者減少に繋がり、再受診費用削減が期待できる。
・ 従業員の健康に配慮することで、働き易い職場環境の整備に繋がり、人材流出を防ぐことが期待できる。
・ 費用を掛けずに実施することもできる。
企業にとって、とても魅力的なメリットではないでしょうか。
では「健康経営」に取り組んでみよう!と思われている企業様向けに、他社事例を交えた一般的な流れをご紹介します。
健康経営への取り組み
「健康経営」を会社として実施する為には、一番最初にトップの経営者が明確なビジョンを掲げることが大事です。
どのような効果を目的とするか明確に掲げる必要があるかと思います。
そしてその内容を、企業HPなどで社外発信するとともに、社内イントラや従業員研修の機会を利用して、社内外へ浸透させます。
企業としてのビションを掲げたら、次にすべきことは、目的を達成するための具体的な立案です。
これは中間管理職の立場の人達が企画の立案から、運営まで現場に明確に落とし込む必要があります。
実際に大手企業で行われている健康経営施策の参考事例です。
【花王株式会社】
健康ポイント制度を導入し、従業員の健康状況を数字で表したり、健康的な行動をする度にポイントを付与し、ポイントを貯めることが可能です。
ポイントに応じてインセティブ支給等の制度になります。
制度の根底には、健康保険という制度は、健康な人からの保険料を病気になった人が使う仕組みという概念が存在しています。
(参考:日本の人事部(https://jinjibu.jp/smp/article/index.php?act=detl&id=744))
中小企業の場合、大企業のように自社でシステムを構築したり、大規模な取り組みを始めるのはなかなか難しいかもしれません。
そのような場合でも、
・ 社内報で健康情報を発信する
・ 加入している健保組合の健康イベントを活用する
・ スポーツジム加入への福利厚生を手厚くする
・ 外部講師を手配して社内でヨガやウォーキング、ストレッチ教室などを開催する
・ 産業医や保健師の全社員面談や、健康セミナーを行う
……など、社内ご担当者の負担を最小限に考えた取り組みが充分可能です。
企業に求められる課題とは
企業にとっての大きな課題として、「人材不足」が挙げられます。
一つの企業に定年まで勤めることが美学とされた頃とは時代も変化し、転職に対して昔程の抵抗感がなく、職を変える労働者が多いのも事実です。
特に、優秀な人材程引く手数多となり、現状よりも好条件の職場環境を選択するのは必然なのかもしれません。
「人材=企業の資本」という認識をより一層強く持つこと、そしてそのために企業努力を惜しまないことが、今後の企業発展には欠かせないといえるでしょう。