「働き方改革」は「働かない改革」ではない
- 2017/10/11
- 働き方改革
現在、日本では長時間労働による過労死や自殺、メンタル疾患者が増えたため働き方改革が社会全体として進められています。
企業の総務・人事担当者を中心に、働き方改革により、残業時間の削減を積極的に取り組んでいる企業も多いと思います。
しかし、「労働時間削減」にこだわり過ぎて、単純に残業を減らしているだけになっていないでしょうか。
「働き方改革」の考え方
そもそも働き方改革とは、短い労働時間で生産性の高い働きをすることで残業を減らすことにつなげるという考えです。
時短勤務のブームに乗り、残業を減らすだけの企業が増え、「働き方改革」ではなく「働かない改革」となってしまっては、「頑張って残業削減してみたら、結局利益も減った! やっぱり残業しないと無理なんだ。」という結論に落ち着きかねません。
労働時間だけを考えるのではなく、あくまでも生産性を高めることで残業が減るということを忘れずに、制度改革に挑む必要があります。
つまり、「労働時間が短い中で成果を上げた社員をきちんと評価するという企業方針を、社員全員に理解してもらう」ことが必須であるのです。
非常に生産性が高く、優秀な社員が長時間労働によって評価される会社にいた場合を考えてみましょう。
自身の仕事を早く終えても評価の対象にならず、嫌になって辞めてしまう→穴を埋めるために他の方が過重労働になる→過労死やメンタル疾患の可能性が上がる→休職・退職につながる→周りの方がより忙しくなる等負の連鎖が続いてしまうことは防がなくてはいけません。
会社の体制として
短い時間で集中して業務を行い、生産性を高めることで仕事にもやりがいを感じ、プライベートの時間も十分に取ることができれば、より仕事にも打ち込むことができます。
先にも述べたように、会社としては単に残業を減らすだけでは意味がありません。
無理に残業だけを減らすように指導すると、仕事の持ち帰りなどの隠れ残業を増やすという本末転倒な結果を招くことすらあります。
評価制度や組織改革など、会社の抜本的な制度改革として取り組むことが大事ではないでしょうか。
残業がなくなっては給料が減ってしまうという声もよく聞かれますが、残業をしなくても給与が保たれる(さらに言えば、効率よく仕事を終えた組織・個人がきちんと評価され給与アップする)ような本質的な体制作りをしていくことで、目標達成できた企業もあります。
そのような成功事例にも目を通し、経営層も巻き込んだ組織改革を進めていくことが「働き方改革」の真の成功へとつながります。