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北欧で流行りの「1日6時間労働」! 日本で実現する?
- 2016/6/20
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海外の方々に「日本人の印象は?」と質問すると、真面目・勤勉・働き者等の答えが多く返ってきます。
その印象はおそらく間違っていないのだと思います。
日本で「正社員」と位置づけられている人たちは、年間約2,000時間働いており、ヨーロッパ諸国とくらべると400時間も長いそうです。
まさに「働き者」です!
しかし働きずぎによる過労の問題も数多くあります。
総務省の「労働力調査」によると、20歳代後半~40歳代前半の労働者の約20%は、週に60時間働いているようです。
週5日勤務として計算すると、1日の勤務時間は12時間となり、基本の8時間を大幅に超えて勤務しているということになります。
そんな決して楽とはいえない日本の労働状況を横目に、スウェーデンをはじめとする北欧で、1日「6時間労働制」が進んでいます!
「6時間労働」はメリットいっぱい?
8時間でも時間が足りないと感じる人が大多数のなか、「6時間なんて絶対無理! お客様にご迷惑をかけてしまう! 業績が下がってしまい給与が減る……」そう思っている人も多いでしょう。
「1つの仕事を集中して8時間続けるというのは、大きな挑戦でしかない」
スウェーデンの首都ストックホルムに本社がある企業のCEOの言葉です。
この企業では、実際に6時間労働制にシフトした後、業績にマイナス面でのインパクトはなく、むしろ社員の集中力アップや意欲の向上、ストレス軽減による社内の雰囲気の改善等の効果が現れたのです!
まず、「1日8時間労働というシステムは、決して効率的ではない」と考え直してみることをお勧めします。
私の北欧留学時の経験ですが、帰宅ラッシュは15時くらいから始まります。
16時~17時には家族みんなで夕食を囲むことがスタンダードであり、家族との時間を大切にしているんだなとうらやましく感じたことを覚えています。
仕事の時間と家族の時間のメリハリがあるからこそ、それぞれの質がアップするんだと友人は言っていました。
もちろん、デメリットもあります。
労働時間を減らすためには、人員を追加しなければなりませんので、それに伴う人件費の増加は大きな問題となるでしょう。
スウェーデンでは、政府や自治体が費用補助をする仕組みを設けていますが、政策によって左右される面があり安定していないという点もひとつのデメリットといえるでしょう。
「働きすぎ」から「働かなすぎ」へ
北欧諸国で進められている「6時間労働制」は日本で実現可能なのでしょうか?
今の日本では少し難しいかもしれないというのが率直な感想です。
今の日本では、まだ長く働くことが仕事を評価する大きなポイントとなっている傾向が強く、世界の先進国の中でも平均労働時間はトップクラスで長いのです。
この状況からいきなり6時間労働制にシフトすることはかなり厳しいような気がします。
私の所属するドクタートラストでは現在、労働時間短縮に力を入れており、1日の労働時間を現在の7時間半から6時間半にしようと、日々試行錯誤を繰り返しています。
6時間半で退勤できる日もありますが、やはり仕事量を削減せずに、短縮した時間内に終わらせるということは、簡単ではないと実感しています。
ですが、働き者で工夫することが得意な日本人だからこそ、「1日6時間労働制」に移行することは、その気になればできるような気もします。
優秀な育児期間中の女性の雇用が実現し、時短勤務ではなく通常勤務として活躍できる環境が整うことでしょう。
育児や介護、少子化などの問題も軽減されることでしょう。そして家族の絆が強まることで、日本が抱える多くの問題が解決できるはずです。
私は、「6時間労働制」を願う者の1人です。
日本にこの制度を浸透させるには、まず自身の仕事の生産性をアップさせる工夫をしてみましょう!
1日のスケジュールを確認し、その日のスケジュールプランを立て実行するなど、人それぞれやり方はあると思います。
ダラダラと長時間仕事をするより、ササッと自分の仕事をこなすことができたら、たとえ「6時間労働制」でなくても仕事とプライベートのメリハリはつくのではないでしょうか?
なお、ドクタートラストでは、「6時間労働制」を達成するために、どうしたら仕事の生産性を上げられるのか、勉強や情報収集を始めています。