2025年のテーマは「少酒」!全国生活習慣病予防月間がはじまる 

毎年2月は全国生活習慣病予防月間です。
生活習慣病予防に対する国民の意識向上と、これによる健康寿命の伸長を目指すために、日本生活習慣病予防協会が主催となり毎年2月に実施しています。

生活習慣病とは、食習慣や運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾病群で、がんや心筋梗塞、狭心症などの心臓病のほか、脳梗塞やくも膜下出血などの脳の病気が含まれます。

2025年の全国生活習慣予防月間のテーマは「少酒」です。
「酒は百薬の長(適量の酒はどんな良薬よりも効果がある)」ということわざもありますが、少しの飲酒でもリスクが上がる病気もあります。
リスクも知ったうえで、適量のお酒を楽しめるとよいですね。

今回は、多量飲酒のリスクについてと飲酒量を減らすためにできることについてご紹介いたします。

多量飲酒により引き起こされる病気

多量飲酒が影響する病気と聞いて最初に思い浮かぶのは肝臓にかかわるものではないでしょうか。
肝臓にかかわる病気には脂肪肝や肝炎、肝硬変、肝がんなどがあります。
他にも多量飲酒は肝臓以外にも脳や食道、大腸、膵臓など身体のさまざまなところに影響があります。

また、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では疾患別の発症リスクと純アルコール量についても記載されています。
特に、出血性の脳卒中や高血圧、胃がん、食道がんにおいては、少しの飲酒でも影響があることがわかっています。

節度ある適度な飲酒

健康日本21では節度ある適度な飲酒を、1日平均純アルコールで20gとしています。
お酒の種類別の純アルコール量20gの目安はこちらです。

体格が大きい人よりも小さい人の方がアルコールの影響を受けやすい点や、女性の方が男性と比較してアルコールを分解する酵素が少ない点から、女性は男性よりも飲酒量を抑えることが推奨されています。

また、体調が悪いときや薬を飲んでいるときにはアルコールの影響が出やすくなるため、飲酒を控えるようにしましょう。

飲酒量を減らすためのヒント

職場編

① 飲酒による疾病リスク、飲酒量の適量についての情報提供の実施
まずは、飲酒によるさまざまなリスクや飲酒量の適量について知ることが大切です。
情報提供の方法としては、従業員向けの健康セミナーの実施や社内のイントラネットでの発信、社内への掲示などがあります。
また、飲み会が増えやすい年末年始や歓送迎会の季節、健康診断前といったタイミングでの実施もおすすめです。

② 飲み会の途中で水を飲む
飲み会の途中で声を掛け合い全員で水を飲む取り組みをしている職場もあるそうです。
水を飲むことでアルコールをゆっくり分解、吸収できるようにしてくれます。
さらに、お酒の飲みすぎ防止にもなります。

③ 食事も一緒に楽しむ
一緒に食事をとることで、血中のアルコール濃度を上がりにくくし、お酒に酔いにくくする効果があります。
食事でお腹が満たされるため、②と同様に飲みすぎ防止にもなります。
特に、肝臓でのアルコールの代謝をサポートする「ビタミンB1」が含まれる、豚肉やえだまめ、えのきなどを使った料理をおつまみにするのがおすすめです。

プライベート編

① 休肝日を設ける
毎週月曜は休肝日、週2日はノンアルコールにするなど、明確に曜日や代替品を決めるのがおすすめです。
いきなり休肝日を作るのは難しいという方は、まずは週1日から、飲む量を普段よりも少しでも減らすところから始めてみましょう。

② 終わりの時間を決める
だらだらと就寝前まで飲んでしまう方には特におすすめです。
寝る直前までお酒を飲むと、睡眠の妨げになってしまいます。
アルコールは一時的に寝つきを良くしますが、睡眠の質を大きく下げてしまう可能性があります。
アルコールは深い眠りを妨げ、浅い眠りを増やすため、夜中に何度も目が覚めてしまうなど、朝すっきり起きられない状態になる可能性があります。
そのため、毎晩お酒を飲む方は、就寝2時間前には飲酒をやめるようにしましょう。

③ お酒は飲む分だけ買う・冷やす
自宅にお酒があると、ある分だけ飲んでしまう方はストックを作らない方法もおすすめです。
また、冷えているお酒は美味しくてつい飲みたくなってしまいませんか?
前日に翌日飲む分だけ冷やし、必要以上に冷やさないことも飲みすぎ防止につながります。


今回は多量飲酒のリスクと飲酒量を減らすためのヒントについてご紹介しました。
自身の健康を守りながら、適量のお酒を楽しんでください。

<参考>
・日本生活習慣病予防協会「毎年2月は『全国生活習慣病予防月間』2025年のテーマは『少酒』です!”からだにやさしいお酒のたしなみ方”をテーマに市民講演会(Web開催)を公開予定 」
・e-ヘルスネット「生活習慣病とは」
・厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
・厚生る同省「健康日本21(アルコール)」

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杉下 ももか株式会社ドクタートラスト 管理栄養士

投稿者プロフィール

大学で栄養や健康について学ぶ中で、集団に対する栄養指導や、スポーツとのかかわり、予防について興味を持ちました。食べることが大好きで、いかに楽をしてバランスの良い食事ができるかを日頃から考えています。
【保有資格】管理栄養士
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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