性的マイノリティに関する企業向けポータルサイトの開設

みなさんは「男らしい」「女らしい」と聞くとどのようなイメージをもちますか?
「力強い」「かわいらしい」など、日本では昔から生活に根付いた「性別ごとのイメージ」が今でも存在します。
最近ではLGBTQ という言葉もよく耳にするようになりました。
LGBTQとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、QueerやQuestioning(クイアやクエスチョニング)の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつとしても使われることがあります。
2015年11月から渋谷区と世田谷区で同性パートナーシップ証明制度が始まったことがきっかけでいまでは968組(令和5年10月31日時点)もの方がパートナーシップ制度を利用しています。

東京都の取り組み

東京都は11月1日に性的マイノリティに関する企業向けポータルサイトを開設しました。

東京都では、多様な性に関する都民の理解を推進するとともに、性的マイノリティの方々が暮らしやすい環境づくりにつなげ、都民一人ひとりの人権が尊重される社会の実現を目指しています。
こうした社会の構築には、企業の積極的な取組が不可欠であり、企業が性的マイノリティの方々に対してフレンドリーであることに対する社会的要請も高まっています。
そこで今般、性的マイノリティの方々に対してフレンドリーのあり方を検討している段階にある企業へ、主体的かつ積極的な取組を後押しする契機となるように、東京都の支援メニューやモデルケースとなるような他社の事例紹介等の情報提供を行うためのポータルサイトを開設することとなりました。
引用: 性的マイノリティに関する企業向けポータルサイト

「変わる社会とともに、変わる企業のために。」を掲げ、民間の企業に対して性自認や性的指向が人それぞれであることを尊重し、誰もが自分らしく生き生きと活躍することができるよう呼びかけています。

企業向け研修

東京都では、LGBTQに関する理解を社会により一層浸透させていくため、「LGBTQも働きやすい職場づくり」をテーマとして、民間企業、団体などを対象に、性自認および性的指向に関するオンライン企業研修(令和5年度第1回目)を実施します。

事業概要・目的
民間企業、団体等の職員向けに性自認及び性的指向に関する研修をオンラインで実施し、企業等の主体的な取組を促進
配信期間
2023年11月13日(月曜日)9時00分から2024年1月5日(金曜日)23時59分まで
対象
都内に住所を有する、または、都内で活動する企業等の職員
研修内容
「LGBTQも働きやすい職場づくり、全ての人が豊かに働ける職場を目指して」
※事前に収録した動画(約60分)をYouTubeの限定公開形式で配信します

今後もテーマを変えて定期的に配信していくとのことです。

相談窓口

東京都は企業の取り組みを支援するために相談窓口を設けています。

企業向け Tokyo LGBT相談 専門電話相談

東京都パートナーシップ宣誓制度の導入を契機として、令和5年4月4日(火)より企業における社内福利厚生制度の見直しや、性的マイノリティの方々が働きやすい職場の環境づくり等の取組を支援するため、企業等からの電話相談を開始しています。

【企業向け Tokyo LGBT相談 専門電話相談】

・当事者から相談を受けたが、どのように対応したらよいかわからない
・必要性を感じているが、何から行ったらよいのかわからない
・性的マイノリティに関する社員の理解を促進したい

こうした悩みをお持ちの企業さまは、専門家に相談してみるものよいでしょう。

当事者向け Tokyo LGBT相談 専門電話相談

また、当事者向けの窓口も用意されています。
それぞれの立場から相談できる環境は、すべての人が豊かに働ける職場づくりにつながるでしょう。
周囲に悩んでいる人がいる方は、相談先を教えてあげることで、その人が持つ「生きづらさ」を少しでも軽減できるかもしれません。

【Tokyo LGBT相談 専門電話相談】

【Tokyo LGBT相談 専門LINE相談】


ダイバーシティ(多様性)という言葉をよく聞くようになってきました。
言うのは簡単ですが、それを行動にするのはとても大変なことです。
性的マイノリティの方が、自身の性的指向や性自認について周囲に話す(カミングアウト)際に、相談を受けた方の知識がなく、理解できない場合もあるでしょう。
しかし、当事者の方は相当の勇気をもって、信頼できる人だと思ったからこそ打ち明けてくれています。
そのため、本人から了解を得ずに、性的指向や性自認を第三者が公に暴露する「アウティング」は絶対に行ってはいけません。
相談窓口に頼ったり、「ピアサポートグループ(自助団体)」に参加したりして、個性を尊重しあえる社会ができるといいですね。

<参考文献>
・東京都総務局「性的マイノリティに関する企業向けポータルサイト」
・東京都総務局「東京都パートナーシップ宣誓制度」
東京レインボープライド2023

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須賀 実咲株式会社ドクタートラスト 精神保健福祉士

投稿者プロフィール

大学で臨床心理、福祉を専攻し、福祉介護業界に勤めていました。自立支援や就労支援も経験し、生活での悩みや環境について強い興味関心があります。
日常の健康や不安に向き合える機会や、きっかけになれる情報を発信していきます。
【保有資格】精神保健福祉士
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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