テレワークは現在どの程度導入されている?アンケートから見えてくる課題
- 2020/12/10
- 労働環境
会議や打ち合わせをオンラインで行ったり、自宅作業中心となり、出社自体をしなくなった方など、何らかの形で取り入れている方は多いでしょう。
「産業保健新聞」を運営するドクタートラストがご紹介している産業医の先生方も、 現地への訪問でなくオンラインで面談を行うケースなど多くお見受けするようになりました。
今回は、東京商工会議所「テレワークの実施状況に関するアンケート」から、テレワークに関する最近の動向をわかりやすく解説します。
東京商工会議所「テレワークの実施状況に関するアンケート」概要
新型コロナ感染症とインフルエンザの同時流行が懸念される冬期に向けて、テレワークの実態や課題を明らかにするため、 東京商工会議所が実施したアンケートをみてみましょう。
調査期間:9月28日〜10月12日
調査対象:東京商工会議所会員企業13,580社のうち1,048社
従業員規模:30人未満:273社(26.3%)、30人以上50人未満:165社(15.8%)、50人以上100人未満:190社(18.1%)、100人以上300人未満:192社(18.9%)、300人以上:214社(20.8%)
業種別には、サービス業:45.8%、製造業:25.8%、建設業:10.6%、卸売業:13.8%、小売業:4.0%となっています。
現在のテレワーク実施状況は?
テレワークの実施率
アンケート結果によると、テレワークの実施率は53.1%で、前回調査(2020年6月17日時点)の67.3%から14.2%減少しています。
なお、テレワークを実施している企業のうち、約半数(48.9%)は緊急事態宣言が発令された4月8日から継続して実施しています。
また、現在テレワークを現在も実施している企業が53.1%、一時期実施していたものの現在は取りやめている企業が22.1%で、75.2%の企業がいずれかの時期にテレワークを導入しています。
従業員が30人未満の企業でのテレワーク実施率は38.1%、300人以上では69.2%と、実施率の高さは従業員数に比例しています。
業種別では、建設業の実施率が全業種の中で最低(41.0%)、一時期実施していたが現在取りやめている割合も最大(32.4%)でした。
テレワーク実施の目的
テレワーク実施の目的は、出社人数を減らすことによる三密回避(82.9%)、感染症流行時の事業継続性維持(75.7%)が上位でした。
さらに、テレワーク実施により、働き方改革が進んだ(46.2%)、業務プロセスの見直しができた(39.7%)など、働き方や業務見直しにテレワークが功を奏している企業もあったようです。
一方で、テレワークを継続実施する上では、社内のコミュニケーション、書類への押印対応、労務管理などが課題の上位として挙がっています。
また、現在テレワークを実施していない企業にその理由を尋ねたところ、一時期実施していたが現在取りやめている企業では、業務の生産性が下がった(45.7%)、一度も実施していない企業では、テレワーク可能な業務がないが最大となりました。
成功事例を参考に
本調査ではテレワークを機にフリーアドレスやWeb会議システムを導入した例や、営業部員が取引先に直行し、移動時間で報告書を作成することで業務の効率化に繋がった成功例なども紹介されています。
テレワーク推進への取り組みは、「産業保険新聞」でも積極的に取り上げているので、参考にしてみてください。
また、東京商工会議所ウェブサイトにも、テレワークに関する特設サイトがあります。
合わせて活用しましょう。
東京商工会議所「はじめてIT活用 – テレワーク」
<参考>
東京商工会議所「「テレワークの実施状況に関するアンケート」調査結果を取りまとめました~東京のテレワーク実施率は53.1%と前回調査より減少。「一時期実施していたが、現在は取りやめた」企業は22.1%に上る~」