家飲みで増える飲酒量、もしかしてアルコール依存?
- 2020/12/3
- 食事
今年はコロナ禍で外出の機会がぐっと減り、会食や飲み会の回数もかなり少なかった方が多いのではないでしょうか。
自身のことを振り返ってみても、今年は年明けすぐに友人と1度食事に行っただけ!という、やはり社交的にはとてもさみしい1年でした。
会食や飲み会の回数が減ったことで飲酒量が減る人がいる一方、以前よりも飲酒量が増え、コロナ禍においてアルコール依存症のリスクが高まっていることをご存知でしょうか。
生活様式の変化が飲酒量に与える影響
一般的には、「飲みに行く回数が減る=飲酒量が減る」と思いますが、コロナ禍においてさまざまな生活様式が変化したことで、かえって飲酒量が増えてしまったケースが多くあります。
たとえばこんなことはありませんか?
・ 家で飲むと終電がないからと、つい遅くまで飲んでしまった
・ テレワークで早起きしなくて良いため、二日酔いになるまで飲んでしまった
・ 買い物の回数を減らしてお酒のまとめ買いが多くなった
・ どうせ飲むからと、以前よりも大きいサイズの缶やボトルを購入するようになった
外での飲酒は、終電やお店の営業時間、周囲の人の存在などストッパーの役割になるものがあります。
ところが家での飲酒は時間を気にせず飲んでしまう、切り上げようと声をかけてくれる人がいないため、つい遅い時間まで飲酒してしまうようになります。
また、買い物の回数を減らしたことで、普段よりも多くお酒を買ったり、家にストックすることも増えたと思います。
あなたの飲み方は大丈夫?
「アルコール依存症」と聞いても自分には縁がないと感じる方がほとんどだと思います。
ところが、WHOの算出によると日本では約230万人程度がアルコール依存症であると推定されていて、そこに予備軍も含めると相当な数になるでしょう。
アルコール依存の診断基準は、以下の4点が挙げられます。
① 渇望:お酒が飲みたくて仕方ないと感じる
② セルフコントロール喪失:自分で飲酒量をコントロールできない
③ 離脱症状:お酒を飲まないと手が震える、イライラするなどの症状が出る
④ 耐性:酒量を増やさないと酔えなくなる。酩酊するまでの酒量が増えた
また、アルコール依存症のチェックには次のいずれかが用いられます。
① 新久里浜式アルコール依存スクリーニングテスト(KAST)
② Alcohol Use Disorders Identification Test(AUDIT)
どちらもすぐできるので、もしかして?と思う方は気軽に試してみてください。
アルコール依存は自覚することが難しく、本当に具合が悪くなって倒れた時や家族に連れられて初めて治療を受けることがほとんどです。
ご自身のことでなくても、家族で心配な方がいればぜひチェックしてみてください。
「飲まなくても大丈夫」でちょうどいい
すぐに医療的介入が必要となるかは先ほどの診断基準が用いますが、たとえ4つの診断基準すべてに当てはまらなくても「お酒の量や頻度を自分でコントロールできない」「毎日お酒を飲まないと気が済まない」状況になっていたら要注意です。
お酒と付き合って行く上で、お酒は飲むけれど、飲まなくても大丈夫という状態でいることがとても大切なのです。
酒は百薬の長とも言いますが、百薬にするか毒にしてしまうかはあなた次第です。
アルコール依存症は本当に怖い病気で、自分の心と体を傷つけるだけでなく、周囲の人も巻き込んで傷つけてしまうことがほとんどです。
依存症なんて大げさだと思わず、今一度自分の飲み方、家族の飲み方を見直してみませんか?