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産業保健活動をチームで効果的に
- 2020/9/23
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メンタルヘルス対策や離職対策など、産業保健活動で取り組むべき課題は多く存在します。
しかし、企業で産業保健を行う中で以下のような状態になっていませんか。
・ 従業員数50名を超えため、産業医をかたちだけ選任している
・ 産業保健チームでの一人ひとりの認識や目標が定まっていない
・ 具体的な取り組み方法がわからず、課題解決につながっていない
産業保健チームの構築を行い、チームメンバー一人ひとりの専門性が発揮されるようになると、結果として職場の問題解決につながります。
産業保健チームが企業にとってメリットとなるよう見直してみましょう。
産業保健チームの役割分担と連携
事業場での産業保健活動では、質と量、両面での充実が求められます。
嘱託産業医の多くは企業での活動時間が限られていることから、産業医やそれぞれの専門職が役割を明確にすることが必要です。
またそれぞれが得た情報を定期的に行われる衛星委員会などの場を利用してチームで共有し連携をとることで、さらに問題点に気づき、対策に取り組むことができます。
役割分担と連携を行うことで、産業医も適切なリーダーシップを発揮することができ、よりチームとして成果を上げることにつながります。
役割分担と連携を十分に行うことで産業保健活動を企業にとってのメリットとすることができます。
ある職場の課題に対してのチームの取り組み例
ここでは具体的な例を見ていきましょう。
<課題>
従業員の平均年齢が高く、体力仕事であることから体調不良を訴える従業員が増えている。
また若い世代の採用を考えているが一向に応募が来ない。
<状況>
健康診断の結果で有所見者が多数確認されている。
しかし勤務中に体を動かす機会もないうえ、事業所の立地都合で従業員のほとんどが車で通勤していたりと、運動不足や生活習慣が問題となっている。
この職場では以下のようにチーム体制で取り組んでいきました。
・ 産業医は、体を動かすことを習慣化させるために朝礼時のラジオ体操を実施や、通勤方法についても自転車の活用を推奨。また業務中にぼんやりしてミスが目立つ従業員の情報を共有し大きな事故につながる前に面談を行い、従業員と一緒に原因・対策を考えた。
・ 保健師は、健康相談の窓口を設置し、気軽に相談をしてもらえる環境を用意。衛生委員会の場で情報を共有し、必要であれば産業保健チームの他専門職や産業医につなげた。
・ 衛生管理者は産業医、保健師と健康相談や日々の運動の重要性を話し合い、各課長や従業員に周知を行った。それでも伝わらない場合には産業医や保健師に相談をし、直接周知を行ってもらった。
実施後 日々の運動を意識的に取り入れた従業員は、よく睡眠をとれるようになり、業務中の集中力が増し、ミスが減ったほか、生産性も上がり、業績もアップにもつながりました。
さらに従業員の健康づくりに取り組む会社として業界誌や業界新聞にも取り上げられ、若い世代の求人応募数が増加しました。
産業保健活動に今後求められていること
新型コロナウイルス感染症により、担当業務に影響があった従業員も少なくありません。
その中でもマイナスに働いていると感じている従業員が過半数を超え、これまでと違った各企業の課題が既に発生しているかと思います。
より産業保健活動を円滑に取り組んでいる企業の従業員は、「うちの会社は我々従業員のことを考えてくれている」、「職場でいい仕事をしていきたい」と仕事にメリハリを生むことができます。
従業員の健康や、定着率につながるよう各企業独自の産業保健活動チームの運営法を見つけていきましょう。