「笑顔を見ると楽しくなる」
「悲しい映画を見て泣いてしまう」

そんな経験をしたことはありませんか。
きっと多くの人が、誰かの「感情」に自身の「感情」を動かされたことがあると思います。
他者が発する特定の感情を知覚することで自分も同じ経験をした気分になる現象を「情動感染(伝染)」といいます。
今回は感情の感染についてのお話です。

情動感染とは

情動感染に関する研究はいくつかありますが、2段階のプロセスから発生するといわれています。

第1段階:表情や発話、身体動作

⇒ コミュニケーションを通して楽しい・悲しいなどを感じる

第2段階:他者の特定の感情を表情表出し、同じ感情を経験をする

⇒ 他者の経験を自分の経験のように感じる
気づかずに他者の感情を共有していることもあり、これには個人差があることがわかっています。

情動感染には個人差も

情動感染には個人差があるといわれています。
感情を共有するのが得意な人、苦手な人の特徴については下記の研究結果が出ています。

 他者の経験した感情の影響を受けやすい人の特徴 

・ 日頃から他者に対して深く注意を払っている
・ 自身と他者との関係を密接に感じている
・ 他者の感情の読み取りが得意である
・ 他者と行動が類似化、連動しやすい
・ 身体感覚に敏感である

 他者の経験した感情の影響を受けにくい人の特徴 

・ 強い感情を喚起する
・ 感情を、声や表情、姿勢や身体動作で強く表現する

また、他者の経験した感情の影響を受けにくい人は、「他者に感情を感染させやすい人」であるというのも大きな特徴です。
人の感情に敏感な人は、他者のイライラや悲しみ、または怒りに引きずられそうになったりしませんか?

ポジティブな感情ならまだいいですが、周りのことを考えず、ネガティブな感情をあらわにする人は、もしかしたら上記の特徴が当てはまっているのかもしれません。

喜びを感染させよう

感情の感受性が高い人には2つのタイプがあります。

① ポジティブ感情の感受性が高い人
② ネガティブ感情の感受性が高い人

情動伝染尺度の研究では、上記の人たちには以下のような傾向があることが示唆されています。

①の場合、精神的健康がよく、精神面の健康が増進される
②の場合、精神的健康が悪く、感情を共有することによって精神面の健康が阻害される可能性がある

他者と話すときは、自分の発している感情がネガティブなのかポジティブなのか一度振り返ってみてください。
自分はそんなつもりがなくても、他者に悪影響を与えている場合もあります。

感情は感染します。
喜びの感情を意識して日々の生活を過ごしてみませんか?

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冨田さゆり株式会社ドクタートラスト 産業カウンセラー

投稿者プロフィール

ドクタートラストに入社して6年目、多くの民間企業・官公庁の健康管理に関わってきました。産業カウンセラーの資格を取得し、専門知識を深める日々です。対企業、対従業員、健康に働くためのアプローチは多種多様。各々の特性に合わせたアドバイスを心掛けています!
【保有資格】産業カウンセラー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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