知らないうちに加害者に–間接的ハラスメントとは–
- 2017/8/4
- 労働環境
職場におけるハラスメントは現代社会において大きな課題となっています。
特にセクシャルハラスメントは、コミュニケーションのつもり、と主観的な考えのみで行動していると、知らない間に加害者になっていることも少なくありません。
また、被害者においては、ハラスメントという言葉が浸透してきたことや、会社での防止措置義務の強化により相談窓口が設置されるなどして、被害を訴えることがこれまでよりも簡単になっています。
通常、ハラスメントでは、被害者への対応・加害者への対応に焦点がおかれることがほとんどですが、「直施被害を受けない、間接的なハラスメント」があることをご存知でしょうか?
間接的なハラスメント
それでは、間接的にハラスメントを受けるとはどういうことなのか、お話ししたいと思います。
以下に3つの例を挙げてみます。
①~③の例は、ハラスメントになるでしょうか?
① 事務所内で上司が部下の身体に度々触るのを目撃したため、不快に感じて出勤できない
② 同僚が性的な写真を飾っており、苦痛に感じて仕事が手につかない
③ 抗議しているにも関わらず、同僚が業務に使用するパソコンでアダルトサイトを閲覧しているせいで、業務に専念できない
実は①②③のどれも、直接自分が性的な被害を受けたわけではなくても、ハラスメントに該当します。
環境型ハラスメントの定義
このようなハラスメントのことを、「環境型ハラスメント」と呼びます。
労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、その労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。
職務上の地位や権限を利用して性的な発言をして、意に沿わないと降格・解雇・減給などを行う「対価型ハラスメント」とは異なり、環境型ハラスメントは対象となるケースが幅広く、1人の行為で複数の被害者が発生することもあり得ます。
そもそもセクシュアルハラスメントとは
「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されることです。
直接的な言動以外にも、環境を害したり、相手の反応に対して不利益な取り扱いをしたりすることはセクハラになるということを覚えておかなければいけません。