OTC医薬品購入で税金節約!セルフメディケーション税制を知ろう
- 2017/8/3
- 雑学
2017年1月、医療費控除の特例としてスタートした「セルフメディケーション税制」。
これは、特定の成分を含有するOTC医薬品を1年(1月から12月)で一定額以上購入すると、12,000円を超えた額が所得控除の対象となるものです。
医療費控除と同じく確定申告すると、所得税の一部が還付され、翌年度の住民税の負担が少し軽くなるなどのメリットがあります。
(詳細は過去のこちらの記事をご覧下さい⇒2017年から薬局のレシートは必保管!新医療費控除を賢く利用しよう)
さてこちらの制度、開始して半年が経過しましたが、生活者の認知はいまだ十分とはいえない状況のようです。
対象となる医薬品は?
OTC医薬品のOTCとは、「Over The Counter」の略語で、カウンター越しにお薬を販売するかたちに由来しています。
近年、痛み止めや花粉症の薬など、医師の処方箋がなくとも薬局・ドラッグストアで購入できる薬が増えていますが、働く忙しい方にとっては、病院にかからず、また診療時間を気にせず手軽に購入できる市販薬は、今や身近なものといえるでしょう。
法律的には「一般用医薬品」と表現され、通称「市販薬」と呼ばれてきましたが、2007年より「OTC医薬品」に呼称が変更・統一されました。
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品は、実は、全てのOTC医薬品が対象になるわけではありません。
OTC医薬品の中でも、「スイッチOTC」と呼ばれる、医療用から転用された、特定の成分を含んでいる医薬品が対象となります。
対象製品には下記のようなマークが記されていますので、手に取ったお薬をチェックしてみて下さい。
また、対象品目一覧は、厚生労働省のWebサイトで確認ができます。
見逃しやすい、対象マークの表示に要注意
対象製品には、パッケージに共通識別マークが印字されています。
しかし、実際店頭で手に取ってみると、マークが小さく見づらかったり、パッケージのデザインになじみ過ぎていて気付かないなど、注意深く確認しないと分かりづらいものもあります。
対象マークを見逃さないためのポイントは、
●製品によって、マークが印字されている箇所が異なる
●成分が対象となるため、同じブランドでも対象製品とそうでない製品がある
●マークの色は、パッケージデザインによって青や黒など複数存在
に留意して選んでいただければと思います。
なお、マークが印字されていないものでも、対象製品となっている場合もあるため、気になったものは気軽に薬剤師に相談してみましょう。
購入後はレシート保管を忘れずに!
本制度活用において、最も重要なのが購入時のレシート保管です!
こちらがなくては、せっかくの医療費控除が受けられなくなってしまいます。
処方箋を持っていった薬局の領収書・レシート紛失は、薬歴等が残っている場合、確認して再発行が可能なことがありますが、OTC医薬品購入では、店舗で数ヶ月前のレシートを後から発行することは困難です。
とにかく、うっかり捨ててしまうことがないよう、お薬購入後はレシート保管を忘れずに。
確定申告前に慌てることがないよう、日頃から分かりやすい場所、忘れない場所に保管する習慣をつけておくとよいでしょう。
薬箱や保険証入れ、家計簿など、日々管理をしている物とセットで保管しておくことをお勧めします。
従来の医療費控除との併用は?
本制度は医療費控除の一部であるため、従来の医療費控除制度とセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)を同時に利用することができません。
①(従来通り)10万円を超えた医療費の所得控除を受けるか
②セルフメディケーション税制で所得控除を受けるか
申告者自身でどちらがお得か確認し、選択することになります。
普段あまり医療機関にかからない人でも利用しやすいこちらの制度。
新税制を上手に活用し、自身や家族の健康管理にお役立て下さい。