疲労回復に効果的な入浴温度とは?

お風呂で疲労回復、できていますか?

朝晩の気温も下がってきて、だいぶ秋らしい気候になってきましたね。
仕事でどうしても帰宅時間が遅くなる方も、きちんと入浴をして日々の疲れを取っているでしょうか。
1人暮らしでユニットバスだったり、お風呂に入るのが自分だけだったりすると、どうしても入浴を面倒に感じて、シャワーで済ませてしまいがちです。
しかし、入浴には、身体的な疲労を回復する効果、精神的なリラックス効果、安眠を誘う効果など、翌日も元気に働くための大切な役割があります。

日頃はシャワーで済ませている人も、なんとなく入浴している人も、入浴の効果と温度を意識してみてください。
実は、入浴温度と時間によって、体への効果は異なっているのです。

入浴温度によって違う体への効果

1.疲労回復をしたい人

湯量:全身浴
温度:40
入浴時間:15
大切なポイントは、肩までしっかりとつかることです。
全身の血流を良くし、有酸素運動同様の効果が期待できます。
日頃運動習慣がない方も、入浴を15分程度するなら可能でしょう。

2.肩こりがひどい人

湯量:全身浴
温度:41度
入浴時間:10分
41度は、入浴するとやや熱く感じる温度です。
これくらいの温度が好きな人も、日本人には多かったりします。
やや高めの温度で入浴すると、疲労によって固まった筋肉をほぐし、血流が良くなります。

3.風邪をひきたくない人

湯量:全身浴
温度:40度
入浴時間:20分
今注目を浴びている「ヒートショックプロテイン」を出すための入浴法です。
「ヒートショックプロテイン」とは、熱の刺激によってできるタンパク質で、痛んだ細胞を修復する働きを持っています。
入浴の刺激後、2日程で生産のピークを迎えるため、ここ一番!と体調を整えておきたい日の2日前がいいといわれています。
大切なのは、風呂上り30分程は急激に体を冷やさないこと。
エアコンは切り、冷たい飲み物も避けましょう。
また、このタンパク質は1週間ほど活動してくれるため、20分の入浴は週に2日程度で充分なのだそうです。

参考:石川泰弘『バスクリン社員が教える おうちでバスタイム』(ネコ・パブリッシング )

高血圧の人は入浴時の温度・水位に注意!

上記の入浴法は、あくまで健康体の人向けのものです。
高血圧の人は、湯の温度は37~40度とし、肩までお湯につかるのは避けましょう。
理由は心臓への負荷が高まるからです。
胸よりやや下くらいの湯量がおすすめです。
浴室や脱衣所の温度をあらかじめ上げておくことも、血圧を急上昇させないための大切なポイントです。

前述のとおり、たった1度の温度差でも、体への影響は大きく出てきます。
湯の温度を設定できる浴槽なら、設定温度と入浴時間に気を付けて、意識的な疲労回復を図ってください。

また、ユニットバスなどで温度設定が出来る自動給湯器がない場合は、入浴時間だけでも参考にしてみてはいかがでしょうか。
お湯の温度が40度の目安は、15分ほどで額にうっすらと汗をかく程度です。
それよりも早い段階で汗をかくようなら、お湯の温度が高すぎる可能性があります。
お湯の温度が高いと、逆に神経が興奮し、リラックスをするつもりが寝付けなくなることもあるので、深夜の入浴時には特に注意しましょう。

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中村 眞弓株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

企業での健康相談や産業保健の経験を生かし、「じっくり聴く・しっかり考える」保健師を目指しています。社員の皆様・人事の皆様と一緒になって企業の健康を支えていけるよう頑張ります。
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
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