「寒い冬は布団が冷たくて寝付けない」
「夏は暑くて寝苦しい」
季節の温度の変化によってこのような経験をしたことのある方は多いのではないでしょうか。
寝床の温度は私たちの睡眠に影響を及ぼします。
寒すぎたり暑すぎたりして睡眠が妨げられると睡眠不足に陥り、健康面だけでなく、働く人においては日中の眠気や疲労が増えて、仕事のパフォーマンスの低下にも繋がってきます。
そこで今回は、快適な睡眠をするうえで欠かせない「心地の良い寝床のつくり方」について、気温の側面よりご紹介します。
気温と睡眠の関係とは
日本では、気温が季節によって変化し、寝室の温度も変化します。
そして、私たちの睡眠は寒さや暑さによって妨げられ、寝床の温度が高くなる、もしくは低くなるにつれて覚醒する時間が増えてしまいます。
寝床の気温が睡眠に影響する仕組みとして、睡眠中の体温と密接に関係しています。
私たちは睡眠に入ると、体温が急激に低下します。
手足などの皮膚を通した熱の放射が活発になるとともに、代謝が低下して体内で生み出される熱が少なくなるためです。
冬は手足が冷えて放熱がスムーズに出来にくく、夏は気温が高く深部体温が下がりにくくなり、睡眠が浅くなりやすいです。
そのため入眠の際、寒い時期は体が冷えないように、暑い時期は体が暑くならないように寝床の温度を調整することが快眠のカギとなります。
寒い季節は布団の中は10℃以上で
寒い時期の最も寝心地の良い室温は16~19℃です。
また、布団の中が10℃より下がると睡眠が妨害されるため、寝るときは布団の中を十分に暖めるようにしておきましょう。
暖める方法として、多くの方が掛け布団を増やしがちですが、実は敷布団を増やす方が有効的です。
その理由は、冷たい空気が温かい空気と比べて下にたまりやすく、せっかく暖めた布団も床から上がってくる冷気によって冷たくなりやすいからです。
掛け布団で寒さ対策をする場合は、羽毛布団の上にタオルケットをかけると、羽毛布団にたまった熱が逃げるのをタオルケットが防いでくれるのでおすすめです。
羽毛布団の上に重い毛布を掛ける方もいるのですが、そうすると羽毛が十分に膨らまず、羽毛布団の保温効果を発揮することができなくなります。
また、寝る前に電気毛布や電気アンカ、布団乾燥機で布団の足先を温めておくことも布団の中の手足を温めるために有効的です。
ただし、布団の中を温め続けると体温が下がりにくくなり、睡眠が妨害されるので、寝るときに電源を切るようにしましょう。
暑い季節は上手に冷房を活用
暑い時期の快適に眠れる室温は26℃です。
夏のオフィスの温度は28℃に設定するように推奨されていますが、寝る際に寝間着や寝具を用いて寝る場合はそれよりも2℃低い室温にすると快適に眠ることができます。
ただし、体感温度には個人差があるため、寒さを感じる場合は無理に室温を26℃までに下げず、冷房の設定温度は26~28℃を目安に調整して、快適に過ごせる室温を見つけるようにしましょう。
また、冷房をタイマーで使用する際は睡眠の前半につけることも快眠のためのポイントです。
睡眠の前半は体温が低下してのノンレム睡眠(深い睡眠)が集中しており、脳の休息に大事な役割を担う期間です。
冷房のタイマーは、そのノンレム睡眠が集中している睡眠前半の3~4時間程度はつくように設定することで、ぐっすり眠ることができ、翌日の目覚めを良くすることに繋がります。
逆に睡眠の後半は朝方にかけて体温が上がっていくため、冷房で体を冷やしすぎてしまうと、体温が上がりにくくなり、目覚めにくくなります。
目覚めた際に体のだるさや疲労や眠気が残りやすさの要因ともなります。
そのため、睡眠の後半は冷房で室温を冷やし過ぎないように注意しましょう。
目覚める30分~1時間くらい前に冷房をつけ、26~28℃を目安で快適に過ごせる設定にしておくことがおすすめです。
寒くて寝付けない冬場や寝苦しい夏場は、エアコンや寝具の使用方法のちょっとした工夫で寝心地の良い寝床をつくることができます。
良い睡眠のために、今の睡眠環境を見直して、取り入れられそうなことを今夜から一つでも快適に眠れる環境づくりのためにぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。