【11月14日は世界糖尿病デー】6秒に1人の命を奪う病気とは

【11月14日は世界糖尿病デー】6秒に1人の命を奪う病気とは

11月14日は世界糖尿病デーです

11月14日は、インスリンを発見したカナダのバンティング博士の誕生日であり、糖尿病治療に画期的な発見に敬意を表し、糖尿病デーとして顕彰しています。
世界糖尿病デーは、現在、世界160カ国から10億人以上が参加する疾患啓発の日です。
全世界で繰り広げられる糖尿病啓発キャンペーンは、糖尿病の予防や治療継続の重要性について市民に周知する重要な機会となっています。
世界糖尿病デーのキャンペーンには、青い丸をモチーフにした「ブルーサークル」が用いられます。
国連やどこまでも続く空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」をデザインし、”Unite for Diabetes”(糖尿病との闘いのため団結せよ)というキャッチフレーズとともに、世界中で糖尿病抑制に向けたキャンペーンを推進しています。

日本では、このブルーにちなんでライトアップする病院もあります。

世界糖尿病デー実行委員会「全国各地のブルーライトアップ

私たちの体内で「あのはたらき」をするのはインスリンだけ!

前述のとおり、バンティング博士がインスリンを発見しました。
このインスリンという言葉を皆さんは聞いたことありますか、それとも聞き慣れない言葉でしょうか?
インスリンとは、私たちの体内の膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンの一種です。
私たちが、食事(糖)を摂取すると、いくつかの機序を経て、血液中の糖分が増加します。
測定しているのが血糖値です。
みなさんも定期健康診断でこの項目を見たことがあるでしょう。
ちなみに、定期健康診断では、空腹時血糖値を測定するために、健康診断の前はお食事を控えていただいていますが、空腹時の時しか測れないわけではありません。
空腹時以外の血糖値は、随時血糖値として測定します。
インスリンは血糖値の上昇に反応して分泌され、血中の糖をエネルギーに変えることにより、血糖値をコントロールするはたらきをします。
血糖値を下げるホルモンはインスリンだけです。
疾患により、分泌が減少、もしくはなくなってしまったら、体外から補充する必要があります。
日本人は世界の中でも、遺伝的に糖尿病にかかりやすい体質を持っているといわれています。
さらに体質に加えて、食生活の充実や運動不足などの生活習慣の乱れが原因で、糖尿病にかかる人やその予備軍が増えています。

糖尿病で怖いのは?

糖尿病は、合併症が怖い疾患です。
特に知られているのは三大合併症です。

・ 腎症:腎臓の機能が低下し、人工透析が必要になることもあります。
・ 網膜症:目の毛細血管がはたらけなくなることにより、栄養や酸素がうまく供給されずに、失明することもあります。
・ 神経障害:神経細胞に充分な血液が供給されずに、手や足の感覚が鈍くなり、傷や水虫により足が腐ってしまい、切断しなければいけなくなることもあります。

以上の3つは、細い血管が集まっているところです。
そのような場所に合併症が起きやすいということがわかります。

すぐにできる予防は?

食後の急激な血糖値の上昇を避け、インスリンを節約しましょう。

① 食べ方の工夫:食事の最初に野菜を食べると、血糖値の上昇を緩やかにさせます。空腹のときは、がっつりとメインのおかずにかぶりつきたい気持ちにもなりますが、まずは野菜。次に、満腹感を得られやすい汁物、そしてメインのおかずの肉・魚の順に食べましょう。
② 食後の過ごし方:お腹いっぱい食べて、そのあとはゴロゴロしていませんか?食後の15分間のウォーキングが、血糖値の上昇を迎るのに効果的という海外の研究があります。

どちらも、すぐに取り組めることですね。
この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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中山 真樹株式会社ドクタートラスト 産業保健師

投稿者プロフィール

看護師として病棟勤務を経て、現在は企業様を対象に保健師業務を行っております。企業の健康管理室に出向していた経験、また、現在訪問企業で実施している業務からヒントを得て、皆様が知りたいことをお届けしたいと思います。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、養護教諭一種
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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