株式会社ドクタートラストのストレスチェック研究所では、ストレスチェックサービスを利用した累計受検者103万人のデータを活用し、さまざまな分析を行っています。
今回は2020年度にストレスチェックサービスを利用した受検者のうち、およそ24万人の結果を分析し、コロナ禍における働く人たちのメンタル面の変化を導き出しました。
2020年度ストレスチェック結果の要約
① 職場環境が快適になっている
② 疲労感が軽減している
③ 報酬面での納得感が増している
④ 経営層からの情報への信頼度が増している
⑤ 人事評価の説明が十分にされていると感じている
受検率と高ストレス者率
こちらは、2019年度、2020年度の受検率および高ストレス者率を表したものです。
受検率とは対象者に対して何人が受検をしたかをパーセンテージで示したものです。
たとえば100人の事業場でストレスチェックの受検者が10人であれば、受検率は10%となります。
高ストレス者率は2019年度が15.4%であるのに対し、2020年度では14.1%でした。高ストレス者とは、ストレスチェックの結果、ストレスの自覚症状が高い、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪いとされた人を指します。2020年度はコロナ禍ということもあり、高ストレス者率も例年より上昇すると予想していましたが、1.3%減少しています。
各尺度の経年変化
ストレスチェックは、各設問に対して「そうだ」、「まあそうだ」、「ちがう」、「ややちがう」の4択形式で回答し、設問数57項目版は20尺度の状況を、80項目版では、満足度やワーク・エンゲイジメント(やる気)など22尺度が追加された計42尺度の状況を算出します。
上記のグラフは、ストレスチェック57項目版で算出する20尺度の年代別平均値です。数値は大きいほど、不良(好ましくない)の傾向を示しています。新型コロナウイルス感染症の影響から、ストレスチェックの結果は2019年度よりも2020年度のほうが悪化すると予想していましたが、実際にはやや良好に変化しているのがわかるかと思います。
次に、ストレスチェック80項目版で追加算出する22尺度を見ていきます。
2020年度の結果は2019年度の結果よりも多くの尺度が良好に変化していました。その中でも差の大きかったトップ5尺度は以下の通りです。
括弧内の数値は各設問が何%良好に変化したかを示しています。
① 職場環境(1.7%)
② 疲労感(「ひどく疲れた」2.0%、「へとへとだ」1.5%、「だるい」2.5%)
③ 経済・地位報酬(3.9%)
④ 経営層との信頼関係(2.9%)
⑤ 公正な人事評価(2.8%)
それぞれの項目に関する詳しい解説は、動画もしくは以下プレスリリースに記載されていますのでぜひご覧ください。
https://kyodonewsprwire.jp/release/202106246715