最近の流行やカスタマーの要望により、サービスや社内業務のIT化を促進・推進している企業は多いのではないでしょうか。
「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」を意味する言葉「DX(デジタルトランスフォーメーション)」にも後押しされたりしていますよね。
今回は、それら実現するために必要な概念である「ITケイパビリティ」についてわかりやすく解説します。
IT人材は2030年に45万人不足する
ご存じの通り日本は少子高齢化です。
それに比例するように労働人口も2015年の7,629万人から、2030年6,773万人、2060年4,418万人というように減少することが予測されています。
労働人口と同じく、IT人材の不足も予測されています。
経済産業省委託事業の調査によると、最悪のシナリオで79万人、中間シナリオでも45万人が2030年までに不足するとされています。
なかなかインパクトのある数字ですね。
各企業は生産性を落とさずに業務の効率化やサービスの拡大・深度の増化を図らなければならない場面があるでしょう。
ITケイパビリティとは
生産性確保・向上のために、IT化が一つのアンサーとしてチョイスされることが多いと思われますが、いざIT化する際にはプロジェクトの破綻を招かないように「ITケイパビリティ」を意識して推進する必要があります。
「ITケイパビリティ」とは、ITを使いこなす組織的能力のことで、IT戦略・計画に則り必要なIT資源を見定め調達し、限られた資源を効果的に活用する能力、また人間系を含めてITシステムを確実に運用管理するオペレーション能力のことも指します。
一言でいえばIT投資能力、つまり「いかに有効にITに投資して、期待する成果を得られるか」を意味します。
「期待する成果」は、トップや経営層がただ漠然と夢物語を語っているだけではプロジェクトは上手くいきません。
ITに精通したメンバーと必要なマイルストーンを確認しあうことが必要です。
IT以外に投資しなければならない部分もあるかもしれません。
事実を確認し、それに対する対応策を認識しましょう。
また、社内でエンジニアがいるかどうか、そのエンジニアのスキルで期待するアウトプットを作成することが可能かどうか、を見極めましょう。
社内のエンジニアだけでリソースやスキルの不足があれば、外部の会社に委託することを検討しましょう。
企業によりサービスや単価が異なるため複数の会社を調査することをお勧めします。
コミュニケーションや文化風習の違いはありますが、コントロールすることが可能だと判断できれば海外の会社(オフショア)も視野に入れましょう。
日本のエンジニアより単価が安いことが多いです。(ただし昨今は円安の影響を受けています)
コア業務は社内でできるように
資金に余裕があれば、有能なベンダーに依頼して1から10まで作成してもらえます。
社内にエンジニアを用意する必要はありません。
しかしベンダーの依存度をあげた場合は、社内にエンジニアがいる場合に比べてスピーディーな対応ができないケースがあったり、はたまたベンダーロックがかかるケースもあります。
インフラやシステムのアーキテクチャ構想決定などコアな部分は社内エンジニアで対応できるように教育したり、初期からプログラムに参画するようにアサインしてリスクテイクを図りましょう。