【動画あり】「コロナかも」従業員が激増!会社はどう対応する?~コロナが疑われる従業員、休ませた場合の手当は会社が支払うべき?~

「産業保健新聞」を運営するドクタートラストは、企業の担当者さまから従業員の健康について日々ご相談を受けています。
そんな中で今、お問合せが殺到しているのが「コロナ感染者の隣の席の人が濃厚接触者には当てはまらないといわれたけれど、本当に何もしなくても大丈夫?オミクロンは感染が強いと聞くし……」というご相談や、「陽性者が1人出たことで、他の従業員がパニックになり、『濃厚接触者』以外も会社を休もうとして業務がまわらなくなるし、どうすべきか……」といった内容です。
みなさん、心当たりはありませんか?
今流行しているオミクロン株は感染力がかなり強いと言われているため、濃厚接触者の定義はあるものの、実際に身近で感染者が出ると過剰に反応しがちで、日本中の会社がパニックに陥っています。
今回は「社内でオミクロン株感染者が発生した際に会社としてどう対応すべきか」を保健師がわかりやすく解説します。

隣席の人が陽性に~「濃厚接触者」に当てはまる?~

まずは、新型コロナウイルスの濃厚接触者の定義をみていきましょう。

<濃厚接触者の定義>
新型コロナウイルスの PCR 検査等で陽性となった人と感染の可能性のある期間に接触し、以下の範囲に該当する人
・ 陽性者と同居あるいは長時間の接触があった。(車内や航空機内などを含む)
・ 適切な感染防護(マスクや手袋)なしに陽性者を診察、看護もしくは介護をした
・ 陽性者の気道分泌液もしくは体液などの汚染物に直接触れた可能性がある
・ 手で触れることのできる距離(1メートル程度)で必要な感染予防策なしで陽性者と15分以上の接触があった

会社の隣の席の人が陽性者になった場合、ご自身が濃厚接触者にあたるのかを確認しましょう。
隣の人との距離は1メートル以上離れていますか? マスクなしで15分以上の会話をしましたか?
もし隣の人とパーテーションなどのない場所で、お昼ご飯を一緒に食べた場合は15分以上マスクをせずに話をしたことになりますね。
一方、1メートル以上離れており、マスクなしで15分以上話をしておらず、十分換気ができているなど、感染予防策がとられている場合は、濃厚接触者にあたらない可能性が高いです。
濃厚接触者は、保健所から陽性者本人に連絡が行われる際、本人や家族、会社などから聞き取り調査を行い、総合的に判断します。
まずは保健所からの連絡を待ちましょう。
ただし現在は感染者が急増し、保健所からの連絡がなかなか来ないこともあります。
濃厚接触者となる可能性が高い社員については、「濃厚接触者の定義」に照らし合わせ、会社と本人と十分話し合ったうえで、連絡が来るまでリモートワークとするなどの対応をとっていただくことをおすすめします。
また、濃厚接触者以外の接触者については、外出の自粛などの保健所が出している指示は今のところはありませんが、充分な体調管理を行いましょう。

濃厚接触者ではないけれど不安!そんなときはどうする?

では、「濃厚接触者ではないが同じ部署の人や席が近くて不安だ、会社としても濃厚接触者ではないが対応したい」といった場合はどうしたらよいでしょうか。
企業によっては、濃厚接触者と同様に「10日間は自宅勤務」の対応をしたり、有給の取得を推奨しているところもあるようです。
なお、従業員が自ら休む判断をした場合は、有給消化や欠勤扱いとなりますが、会社が休ませる場合は、給料を保障するなど対応が必要となりますのでご留意ください。

全国自治体では「濃厚接触者以外」に無料PCRを提供

また、企業によっては濃厚接触者以外の接触者に対してPCR検査を実施しているところや、東京都をはじめとして、PCR検査や抗原定性検査を無料で提供している自治体もあります。

<無料PCR検査、抗原定性検査の対象>※東京都の例
(1)ワクチン・検査パッケージ制度または対象者全員検査および飲食、イベント、旅行・帰省等の活動に際して、陰性の検査結果を確認する必要がある無症状の方
(2)発熱などの症状のない 無症状者で、以下に当てはまる方、
・ 感染している可能性に不安を抱える方
・ あらかじめ感染不安を解消しておきたい事情がある方(感染者の周辺で保健所により濃厚接触者とされなかった方のうち、感染不安を抱える方、高齢者施設を訪問する予定がある方など)
・感染拡大傾向時においても対人接触の機会が多い環境にある方です。

無料検査をうけるための手続は、以下のURLよりご確認ください。
東京都福祉保健局「PCR等検査無料化事業」

お住いの自治体によって異なりますので、詳細は各ウェブサイトなどを参照ください。

さいごに

従業員の健康を守りたい、でも業務を滞らせるわけにはいかない……。
企業の担当者さまや責任者のみなさまは今、とても悩まれていると思います。
改めて会社としての、陽性者が出た際の対応を見直して、しっかりとルールを周知してください。
従業員みなさんが安心して働いてもらえるよう体制を整えましょう。

<出演>
・ 小阿瀬有紀(株式会社ドクタートラスト 保健師)

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産業保健新聞編集部株式会社ドクタートラスト

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