新型コロナウイルス感染症の拡大は8割近くの企業に影響あり!

新型コロナウイルス感染症の拡大は8割近くの企業に影響あり!

2020年9月15日、東京商工会議所が「企業における感染症対策に関する実態調査」結果を公開されました。
2020年5月の緊急事態宣言発令から5カ月が経過し、新型コロナウイルス感染症の感染者数は一定数を推移している今、各企業による対策はどのような現状なのでしょうか。
今回は、「企業における感染症対策に関する実態調査」結果をわかりやすく解説します。

企業における感染症対策に関する実態調査結果

本調査は、調査期間が2020年7月27日~8月3日の6日間。東京商工会議所会員企業である1,477社の内582社の回答を反映させた調査結果です。(回答率39.4%)
なお、回答企業の内訳として、業種はサービス業が49%、次いで製造業が20%、また従業員数は50名未満の企業が51%でした。

事業継続への影響と従業員の健康管理

感染拡大による事業継続への影響に関して、影響があると回答した企業が76.1%、従業員の健康管理に不安を感じている企業が85.4%、特に従業員のメンタルヘルスに不安を感じている企業が64.7%、次いで健康診断の実施に33.2%、運動不足に32.6%、食生活に17.5%が不安を感じていました。

企業の感染症対策

感染防止のために社内購入した資材の中で上位に挙がったのが、以前よりも入手が容易になった手指用消毒液(90.5%)、マスクが(86.9%)でした。
しかしながらそのうちの約20%の企業が十分な数を確保できなかったと回答しています。
また、4割強の企業がZoom等のオンラインツールを導入。
一方でアクリル板等の間仕切りを購入した企業は40.7%と、半分未満の企業が購入には踏み切らなかったようです。
感染症の拡大防止策としては、「手洗い・うがい・マスク着用の励行」「アルコール消毒液等の設置」を行った企業が95%近くおり、労働関連の施策に関しては、「時差出勤等の出勤体制の見直し」「イベント・集会等の実施基準の見直し」をした企業が7割を占め、「テレワークの実施」をした企業が61.2%、「休業または営業時間の短縮」をした企業が56.4%いました。

感染症BCPの現状

感染症対応を含む「事業継続計画(BCP)」の有無に関しては、「有る」と回答したのが17.8%、「策定中」「今後、策定予定」が計36.1%、残りの46.1%は策定の必要性を感じつつも策定予定はない、もしくは必要性を感じていませんでした。
また、策定していたBCPが今回のコロナウイルスに「十分対応できた」と回答する企業は18.8%、「一部対応できた」企業が69.4%でした。
策定もしくは策定予定のBCPの中には、「社内に感染症が発生した時の対応」を含む企業が87.1%だった一方、「主要取引先向けの説明内容の準備」といった対外的な項目は3割に留まり、まずは社内のことで手一杯といった印象でした。

感染症BCPの策定に向けて

新型コロナウイルス感染の拡大を機に、感染症を対象とする「事業継続計画(BCP)」の整備・見直しが推奨されています。
たとえば東京都などが実施している「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト!」の内のコースの一つに感染症対応を含むBCPの作成が含まれています。
感染症BCPを策定する上で、「ノウハウやスキルがない、不足している」と回答している企業が66%ですが、中小企業庁にて公表している「中小企業BCP策定運用指針」を活用すれば、簡単に流れに沿ってBCPを策定することができますので、ぜひ策定もしくは新型コロナウイルスに対応するための対策の見直しによって感染者数の拡大を防ぎましょう!

<参照>
・ 東京商工会議所「「企業における感染症対策に関する実態調査」結果について」
・ 東京都福祉保健局「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト 参加企業募集」
・ 中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針」

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