厚生労働省は、2015年の男性の育児休業取得率が、比較可能な1996年度の調査以来、過去最高であると発表しました。
「過去最高」というと、高い割合を想像するかもしれません。
しかし、実際には、女性の取得率81.5%に対し、2.65%という取得率です。
男性の8割が育休リピート希望
男性の育休取得経験者に取ったアンケートの結果、「子どもが生まれたら、また育休を取得したい」と答えた人が8割もいます。
男性の育休のメリットを取得経験者と未取得者に聞いたところ、
「子育てに関われる」「家族との時間が取れる」「子どもとの絆が深まる」などがあげられました。
また、取得経験者と未取得経験者の双方とも、男性の育休取得について好意的であるというアンケート結果が出ています。
このような結果に対し、実際の男性の育休取得率は2.65%と乖離しています。
また、「育休の取得期間」について聞いたところ、「過去に取得した」人は「1週間未満」という回答が最も多い結果になりました。
男性が育児休業を取るために
なぜ、男性の育児休業取得率および取得期間は、女性に比べて少ないのでしょうか?
アンケートの結果、取得経験者・未取得者ともに「職場の理解が足りない」と感じています。
男性が育休を取ることへの理解が薄く、昨今パタハラ(男性が育児支援制度を利用するのを妨げるような行為)も問題となっています。
まずは、男性が育児休暇を取りやすくなるような風土づくりが必要となります。
「イクボス」などが近年話題になっていますが、イクボスを社内に置くと男性の育休も取得しやすいのではないでしょうか。
※イクボス…職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も挙げつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のことを指します。
男性の育休取得率を上げることは、企業イメージの向上にもつながります。
実際に、ユーザーに女性の割合が多い企業のなかに、男性の育休取得率の高さをアピールしている企業も少なくありません。
また、育休取得をしたいという男性社員の希望を叶えることで、仕事へもプラスの影響が及ぶことでしょう。