あらゆる企業に必要なダイバーシティ・マネジメント

他人事でないトランプショック

ダイバーシティ・マネジメントという言葉をご存知でしょうか。
本産業保健新聞でも、たびたび取り上げています。




最近は頻繁に聞くようになり、だいぶ普及してきた言葉といえるでしょう。
もともとは、多様な人種や異なる宗教観を持つ人間が一つの国で生活しているアメリカから広まった言葉です。
そんな人種のサラダボウルと言われるアメリカにおいても、トランプ大統領就任後、一定の国からアメリカへの入国が一時禁止され物議をかもしています。

この問題は、アメリカ国籍を持つ人の間でも賛否が分かれているように、様々な側面から物事を考えれば考えるほど、多様性を受け入れることは容易でないことがわかります。
その多様性の受容を組織の経営戦略に活かすということが、ダイバーシティ・マネジメントの意味するところです。

日本特有の課題

日本は、アメリカのような移民の国ではありませんので、民族や人種間の問題が欧米ほど大きく取り沙汰されることはありません。

また、宗教についても比較的寛容です。
一方、性別については、男性が外で働き、結婚した女性は家庭を守る、という一定の型にはまった考えが広く受け入れられてきました。

高度経済成長期から成長安定期においては、その働き方が時代にあっていた、ともいえるでしょう。
そのため、日本においてダイバーシティというと、 “女性の活用が大きな目標”となるのが自然な流れだと考えられます。
本来の言葉の意味から考えると、性差だけでなく日本国籍ではない人の登用も同じように考えていくべきところです。

目的を定めたダイバーシティを

世界を股にかける大企業では、競争相手が海外の企業となるため、ダイバーシティ・マネジメントは益々必要となるでしょう。

中小企業でならばダイバーシティ・マネジメントが不要かといえば、そんなことはありません。
アメリカと日本において意味するところが異なってくるように、ダイバーシティ・マネジメントは企業によっても捉え方や戦略が異なってしかるべきです。

人材確保や安定的な成長にむけ、どのような人材活用がカギとなるのか、その部分を考えることこそが、人材の適正配置へとつながり、対外的なイメージアップの枠組みを超えたダイバーシティ・マネジメントとなります。

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