週休3日制のメリットは? 給与や労働時間はどうなる? ~テレワークに向かない業種にもおすすめの理由~

テレワークに向かない業種にも!コロナ禍の週休3日制

9月に入っても、新型コロナウイルスの混乱は未だおさまる様子はありませんが、皆さんがお勤めの企業ではテレワークや時差出勤は定着しているでしょうか?
定着せずに、緊急事態宣言の解除と同時にオフィス通勤を再開した企業もあることでしょう。
5月14日に一般社団法人日本経済団体連合会が公表した「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」では、通勤時の混雑を軽減する対策として「テレワーク」「時差出勤」が提案されています。
また、これらに加え、「週休3日制」も挙げられているのですが、ご存知でしょうか?
今回は、週休3日制のメリット、また導入時の給与や労働時間の扱いなどについてわかりやすく解説します。

週休3日制のメリット

新型コロナウイルスが流行する前は、週休3日制といえばプライベートの充実に重きが置かれていたように思います。
しかしこのような社会情勢になってから、週休3日制がコロナ禍にもたらすメリットに注目が集まっています。

メリット1:週5日の出勤を1日減らすだけで出勤率を20%も削減できる

もはや通勤時の人の多さはほぼ流行前と同等のように感じます。
このような環境では、毎日感染の不安を抱えながら通勤している方は多いでしょう。
たった1日でも通勤の頻度を減らすことができれば、交通機関の混雑緩和も期待できるのではないでしょうか。

メリット2:サービス業や製造業など、テレワークに向かない業種でも導入できる

サービス業や製造業など、テレワークの導入が難しいとされる業種があります。
また、テレワーク導入企業であっても、経理部門など一部の方はどうしても出勤しなければならない場合があるようです。
このようにテレワークには色々と課題が多い一方で、週休3日制であれば業種や職種の影響が少ないため、導入のハードルは低くなります。

メリット3:ローテーション制をとれば社内の人口密度を緩和できる

週1日、会社全体で休業してしまうのもひとつの手ですが、事業活動を止めたくない会社は多いと思います。
それを解決するためにローテーション制を取り入れてはいかがでしょうか。
部署内で社員が交代で休日を取れるよう調整すれば、実現のハードルはさらに低くなると思います。

週休3日制の場合、労働時間や給与はどうなる?

週休3日制を導入した場合、社員の働く条件が変わるわけですから、労働時間の管理や給与制度についても見直す必要が出てきます。
ここでは一般的な働き方として「1日8時間×5日、1週間で40時間」を前提に、週休3日制の導入パターンを見ていきます。

導入パターン1:1日10時間×4日、1週間で40時間働く

休む1日分の労働時間を他の日に分散させるパターンです。
労働基準法では、「1日8時間、1週間40時間を超えて労働させてはならない」とされていますが、変形労働時間制を採用すれば、それにとらわれない働き方が可能になります。
働く総時間数は変わりませんので給与額に変更はありませんし、労働時間が法定内におさまっていれば、割増賃金を支払う必要もありません。

導入パターン2:1日8時間、1週間で32時間働く

1日の労働時間は8時間のまま、単純に就労日を1日減らすパターンです。
1週間の労働時間が32時間となりますから、それにあわせて給与も2割カットとなる場合が多いようです。
また、この場合は労働時間が法定時間内におさまっているので、変形労働時間制の届出をする必要はありません。

※ 変形労働時間制とは
変形労働時間制とは、1ヶ月以内の期間を平均して、週の労働時間が40時間になるよう働く日時を事前に設定することにより、「1日8時間、1週間40時間」を超えることが可能になる制度です。(労働基準法32条の2)
ただし、変形労働時間制を採用する場合は、事前に管轄の労働基準監督署へ労使協定を届け出なければなりませんので、注意してください。

週休3日制、メリットがたくさん!

週休3日制のメリットを中心に取り上げましたが、元来重きが置かれていた“プライベートの充実”も、実はコロナ対策についてとても重要です。
しっかり休養をとることにより、免疫力をアップ・維持することが期待できます。
また、週休3日制をいきなり毎週に導入するのではなく、1ヶ月のうち1週間だけだったり、夏の間だけだったり、一定期間限定で導入してみてもよいのではないでしょうか。
コロナ禍の新しい働き方づくりはまだまだ手探りな状態ですし、制度の整備も同様です。
社員のニーズを探りながら、ベストな制度づくりを目指したいものです。

<参考>
一般社団法人日本経済団体連合会「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」

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柳迫 里佳株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

IT企業の事務部門にて、人事・経理・総務等の基幹業務を10年ほど経験。残業過多や人間関係により体調を悪くする社員がいる中で「1人ひとりがわくわくしながら働くにはどうすればよいだろうか」と考えるようになり、産業保健を扱うドクタートラストに興味を持ちました。業務効率化や法改正等、事務担当者目線での話題をお届けしたいと思います。
【保有資格】第二種衛生管理者

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