人材の定着・確保を図るには?~離職率低下への取り組み~

最近は売り手市場とされ、就職・転職がしやすいといわれています。
その一方で、転職しやすいということは事業者側にとっては離職リスクがあるということです。
就職しやすいからこそ離職率や人材の定着にも目を向けていかなければなりません。

厚生労働省の発表によると、平成29年の1年間で一般労働者の離職者数は約400万人を超えたそうです。
では、このような状況下において、職場定着を図るにはどうすればよいのでしょうか?

離職してしまう原因、理由とともに考えていきましょう。

離職理由として…

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、離職理由として「労働時間(残業時間含む)が長い」が男女ともに1番多く、約4割を占めています。

拘束される時間が長いという理由だけでなく、そこからプライベートの時間が取れないことや十分な休養時間がなく体調を崩してしまう、仕事をしている時間が長いため休みの間も仕事のことを考えてしまうなどが考えられます。
また離職理由の特徴として、上司等の姿勢が気に入らないことや労働環境の不満、同僚や先輩・後輩とうまくいかない、といったことも挙げられます。
したがって給与や仕事内容よりも、いかに心地よく仕事ができる環境であるかということを重要視していることがここから読み取れます。

職場定着へのカギ

従業員が日々働いていくなかで、身体の健康のみならず心の状態も重視しなければなりません。
メンタルヘルスやハラスメントの問題とも関連しており、現場の意見を聞き、働きやすい環境を整えることが重要です。

離職理由として人間関係での離職も多く挙がっていることから、コミュニケーションを取りながらベストな業務を行えるように構築することが必要だと考えられます。

1. 仕事量の見極め
2. 従業員の心身の健康
3. 従業員の安全確保
4. 仕事のしやすさ
5. 職場の環境作り

上記のような取組みが離職率を低下させるカギとなります。

働く人のコンディションを整えることによって良好な人間関係の構築にも繋がり、また生産性の向上へと導く一助となるのです。

職場定着支援助成金

厚生労働省では、雇用管理制度の導入などを通じて従業員の離職率の低下に取り組む事業主に対して、職場定着支援助成金という制度があります。
これは、雇用管理改善を推進し、人材を確保しつつ魅力ある職場の創出を目的とした助成金制度です。
比較的審査が通りやすいため、これから職場環境を改善していきたいと考えている経営者の方にはぜひ活用していってほしい助成金となります。

雇用管理制度の具体的な項目としては、下記の導入等が考えられます。

1. 評価・処遇制度
2. 研修制度
3. 健康づくり制度
4. メンター制度
5. 短時間正社員制度(保育事業主のみ)

受給手続の詳細は、こちらをご参照ください。
こういった制度も利用しつつ、改めて職場の見直しをしていきませんか?
離職率の低い魅力的な職場を構築していきましょう!

<参考>
・ 「平成29年雇用動向調査結果の概要」(厚生労働省)
・ 「第4回 若者のワークスタイル調査(PDF)」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

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