新型コロナウイルス感染症が本格的に日本で拡大を始めてから数カ月が経過しました。
感染予防を図るために国民や企業はさまざまな工夫をしながら生活をしています。
こうした中、新型コロナウイルス感染拡大の完全終息は現段階で見通しが立っておらず、今もなお都内での感染者数発表のニュースを見ない日はありません。
日常生活を送るためには、経済の回復が必須となる今、「感染症防止と経済活動の両立を図ること」「新しい日常」を定着させることを目的として、東京都は「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ~「新しい日常」が定着した社会の構築に向けて~」(以下、ロードマップ)を策定しました。
今回は、ロードマップなどについてわかりやすく解説し、新しい生活様式における企業のあり方を考えます。
ロードマップ5つのポイント
感染症防止と経済社会活動の両立を図りながら、「新しい日常」が定着した社会を実現するため、ロードマップには次の「5つのポイント」が置かれています。
1. 外出自粛等の徹底を通じて、感染を最大限抑え込む
2. モニタリング等を通じた、都民生活や経済社会活動との両立
3. 必要な場合には、「東京アラート」を発動
4. 「第2波」に対応するため、万全の医療・検査体制を整備
5. 「新しい日常」が定着した社会の構築
ロードマップは、特に企業と都民に向けて上記の「5. 「新しい日常」が定着した社会の構築」が定着した社会を重点としており、「事業者向け東京都感染拡大防止ガイドライン~「新しい日常」の定着に向けて~ 」で、働く環境や生活の場で日常的に感染防止対策のためにできることを提示しています。
企業で行う従業員向けの対策
企業では、コロナウイルスの感染、拡大の予防のため、従業員と協力をして新たな業務形態を構築していくことが重要です。
テレワークの導入や、時差出勤など、「新しい日常」を取り入れた企業もある一方で、緊急事態宣言が解除されたタイミングで出社人数を増やしたり、通常勤務に戻った企業も多くあるように感じられます。
その中で企業はどのような工夫ができるのでしょうか。
〇 従業員の体調管理等
・ 出勤前の検温や新型コロナウイルス感染症を疑われる症状の有無の確認と報告
・ 体調不良の場合は、休養を促し、勤務中に体調不良となった場合には、直ちに帰宅させ自宅待機とする
〇 営業中における対策
・ 勤務中のマスク着用、手洗いや手指消毒の徹底
・ 従業員間で、できるだけ2mの距離を確保、人員配置の工夫
・ 換気の徹底
〇 更衣室・休憩時等における対策
・ 規模に合わせて入室を制限し、対面での食事や会話をしないよう徹底
・ 座席間のスペースをの確保、できる限り常時換気
経費をかけたり、大掛かりな人員移動等をしなくても、少しの工夫ですぐに取り組める予防策があります。
長期的に実行を継続できるよう、企業と従業員の協力で対策をしていくことが望ましいでしょう。
新しい日常の定着のため
日本には420万以上の企業があり、4月の時点で大企業で4割以上、中小企業で8割以上が新型コロナウイルス感染症の影響を受けているといわれています。
厳しい状況に目が行くと、新しいことに気づくことが難しくなりがちですが、できることを一つでも二つでも見つけながら新しい日常を構築することが経済復活への第一歩となりそうです。