日本の男女平等はまた後退……フィンランドでは「世界最年少34歳の女性首相」誕生
- 2020/1/8
- ダイバーシティ
男女格差の大きさを国別に比較した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」の2019年版を、スイス・ジュネーブの研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」が発表しました。
これは「男女平等度ランキング」といわれているものです。
2017年版、2018年版は下記記事をご覧ください。
<2017年版>
<2018年版>
結論からいいますと、日本の順位は121位(世界153ヵ国のうち)。
過去最低順位だった2017年の114位(同年の対象国は144ヵ国)から、さらに順位を7位下げて最低順位を更新するかたちとなりました。
主要7ヵ国のなかでは、もちろん最低です……。
何で日本の順位は毎年低いのか
「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」は 経済、政治、教育、健康の4つの分野でどのくらい男女格差があるのかを調べたものです。
日本の順位低迷は、そのなかでも「経済」と「政治」の調査結果が著しく低いことが理由です。
近年この順位が100位より上位にくることはありません。
2019年版の順位は、「経済」が115位(前年117位)、「政治」が144位(前年125位)でした。
「政治」分野がだいぶ下落してしまいましたね。
ちなみに「教育」「健康」分野の調査結果は毎年悪くないのですが、今年は「教育」が91位(前年65位)まで大幅下落しました。
小項目にある中等教育への就学率が128位(前年1位)まで一気に下がったことが理由です。
1番順位の悪い「政治」分野 どうすればいい?
日本の男女格差を少しでもなくすために、一番格差があるとされている「政治」分野を詳しく見てみましょう。
上記の表は、「政治」分野の小項目ごとの評価です。
世界平均にくらべて、日本のスコアが極端に悪いことが一目瞭然ですね。
加えて2019年は、世界的に見ると「政治」分野への女性参画が改善されている年で、全体的にみると男女格差は良い方向に改善したようです。
その改善の波に乗れなかった日本と世界の差はさらに広がる結果となってしまいました。
「政治」分野の男女格差はとても重要です。
なぜなら他の3分野にも関係があり、大きく影響するものだからです。
最近は選挙の投票率の低さも話題になっていますが、皆さんは政治を「自分に関係のないもの」「自分ひとりがどうにかできるものじゃない」と思っていませんか?
こういう風潮も何とかしなければ、女性の政治への参加は進みません。
また、女性の社会進出が進むと、より少子化が進む……と思っている人は考えを改めてください!
女性の社会進出、そして男性の家庭進出が進み、出生率が回復するという流れは、男女平等ランキング上位の北欧諸国をはじめ、先進国が歩んで来た道です。
フィンランドでは「世界最年少34歳の女性首相」が誕生
そんななか、今年の男女平等ランキングで3位になったフィンランドでは、世界最年少34歳の女性首相が誕生したというニュースが舞い込んできました。
フィンランドにとっては3人目の女性首相で、彼女が率いる新内閣は女性12人、男性7人だそうです。
このニュースに対するコメントには「すばらしい」「日本じゃ考えられない」が多数で、北欧に留学したことのある筆者でも「フィンランドやるな~!」と思ってしまいました。
しかし、知り合いのノルウェー人にこの話をしてもポカンとして、「そんなに驚くこと?」というのです!
確かに今のノルウェー首相も、なんならデンマーク首相も女性だ……とここで気づきました。
フィンランドをはじめとするランキング上位の国では、「年齢」と「性別」はそこまで重要なポイントではなく、平等に機会が与えられる機会均等の土壌のうえで才能ある人が活躍することが重要視されているのだと感じます。
きっとこのニュースに日本中が「ええ?」となっている状況ではまだまだ男女平等は遠いということでしょう。
働き方改革や、女性の活躍推進が謳われてから月日が経ちましたが、皆さんの会社の状況はどうでしょうか?
「年齢や性別に関係なく能力を発揮できる会社(社会)」が、結果的に男女平等を進め、労働生産性をも上げているということを心に留め、改革を進めてほしいと思います。
<参考:2019年の男女平等ランキング>
1位(1位) アイスランド
2位(2位) ノルウェー
3位(4位) フィンランド
4位(3位) スウェーデン
5位(5位) ニカラグア
6位(7位) ニュージーランド
7位(9位) アイルランド
8位(29位) スペイン
9位(6位) ルワンダ
10位(14位) ドイツ
—–
53位(51位) アメリカ
106位(103位) 中国
108位(115位) 韓国
121位(110位) 日本
※カッコ内は前年順位