非言語コミュニケーションの活用方法
- 2019/1/26
- 認知行動療法
こんにちは、産業カウンセラーの田野です。
先日は言語コミュニケーションスキルの一つである、「アサーションスキル」をご紹介しました。
今日は「非言語コミュニケーション」についてご紹介します。
前回の記事にあるとおり、対面コミュニケーションは、言語・非言語併用のコミュニケーションであり、多くの場合は、非言語コミュニケーションは言語コミュニケーションを補強する役割を担っています。
とはいえ、すべてにおいて「言語コミュニケーション」が優先されるわけではありません。
私たちが社会へ出てコミュニケーションを図るなかで、時には非言語コミュニケーションが大切となるタイミングもあります。
非言語コミュニケーションの種類
まず、非言語コミュニケーションにどんなものがあるかを見ていきましょう。
- 身体動作:身振り、姿勢(ジェスチャーや姿勢など)、表情(無表情、顔をしかめる、笑う、泣く)等の顔面表情によるもの。
- 空間的表現:対面する距離、位置。パーソナルスペースとも呼ばれることもある。
- 身体接触:触れる、撫でる、叩くなどの接触行動。
- 準言語:これはパラランゲージとも呼ばれ、話す速度や声の大きさ、間の取り方、沈黙など(個人的には「準言語なくしてコミュニケーションなし」と考えています)。
非言語コミュニケーションの特徴
非言語コミュニケーションがどういったものであるかは、前段でおおまかに把握できたと思います。
続いては、このコミュニケーション手法の特徴をご紹介します。
意識してコントロールすることが難しい
非言語コミュニケーションは、言語的コミュニケーションにくらべてコントロールしづらいとされており、無意識に表出してしまうことがあります。
たとえば、言語コミュニケーションでは相手に対して好意の言葉を発している(例:あなたに会えて嬉しい)にもかかわらず、非言語コミュニケーション(例:表情がこわばっている)が本音を漏らしてしまっている、なんてこと、皆さんも身に覚えはないですか?
ちなみにこのような言語・非言語コミュニケーションの意味が異なっている状況を、二重束縛的コミュニケーションといいます。
状況によって意味が変化する
非言語コミュニケーションは、状況や文脈によって大きく意味が異なることがあります。
たとえば「よく視線が合う」、「相手と距離が近い」。
これらを好意だと感じられるか、敵対感情だと感じられるかは、状況や文脈によって変わってきますよね。
感情伝達に優れている
非言語コミュニケーションは扱いづらい少し難しいもの、と感じてしまったかもしれませんが、非言語コミュニケーションは感情や態度の伝達には優れている素敵なコミュニケーションでもあります。
非言語コミュニケーションの活用術
非言語コミュニケーションは意識的にコントロールしにくく、無意識のうちに本音を表出してしまうので、それを逆手にとって相手の内的状態を知る手がかりとして活用することもできます。
【具体例】
会話への関心度
会話へ関心がある場合、(椅子に座っている状態で)上体を前に傾けたり、両足を後ろに引きがちです。
逆に会話に興味のないときは、頭を下げたり、顔を背けたり、片手で頭を支えるなどが表出します。
好悪感情として
手を腰に当てて肘を張ったり、横向きになったりしているときは、嫌いな相手への感情を表出しているととらえられます。
※
また、準言語としては、声のトーンを少し上げる、声が裏返らないように安定したリズムで話す、といった有効的な術があります。
普段意識することの少ない非言語コミュニケーションですが、時には自分のコミュニケーションについて向き合ってみると新たな発見があるかもしれませんね。