仕事をしているとイライラしたり、カッと腹が立ったり、そんなことはありませんか?
酷い時には思わず言葉にして誰かにぶつけてしまい、「ああ、やってしまった」と罪悪感に落ち込むこともあると思います。
怒りは二次感情であるにもかかわらず、恐ろしいほど瞬発力が強く、ほかの感情よりも先行して出てきます。
悲しい、つらい、嫌だといった一次感情を押しのけてくるのです。
時には原動力や励みになり、自分自身を奮い立たせてくれることもありますが、怒りを誰かに向けてしまった場合はとても厄介なものになります。
怒ると疲れる
人は怒ると交感神経が優位になり、身体は興奮状態や緊張状態となるため身体の内部が疲弊し、さまざまな悪影響が出てきてしまいます。
ストレスを受けると、副腎皮質からコルチコイドやアンドロゲンなどの副腎皮質ホルモンが分泌されます。
これらのホルモンには、血糖値上昇、血圧上昇、免疫抑制、胃酸分泌促進、また覚醒(不眠)といった働きをしてしまい、不調やトラブル、ひいては精神疾患に繋がりやすくなります。
このことから最近では糖尿病や肥満とストレスの関連も研究されています。
ストレスは目に見えませんが、身体の中ではこういった異常事態を招きます。
表面に出た時には身体の中はすでにぼろぼろです。
怒りを生む「ギャップ」
あなたはどういうことに怒りますか?
怒った時、どんな気持ちですか?
「信じられない」
「どうしてこんなことをするのか」
「受け入れられない」
「おかしい」
そんな気持ちになっていませんか?
これは理想と現実のギャップに苦しんでいるからです。
人は十人十色、さまざまな価値観・信念を持っています。
物事はこうあるべき、こうじゃないといけない、いわゆる「べき思考」が強いと、掲げているもの理想と現実の乖離が大きくなり、そのギャップにダメージを負います。
それが怒りやイライラとなり「おかしい!」と込みあがってくるのです。
たとえば「仕事は真面目にやるもの」「人は誠実であるべき」といった価値観を持っている人は、不真面目な人や不誠実な人の言動に強い嫌悪や怒りを感じるでしょう。
「諦めたくない」「この人をどうにかしなきゃ」そんな風に思っていませんか?
自分の健康を優先しましょう
価値観や理想を曲げたくない人は諦めることに後ろめたさを感じます。
同じ土俵に立ってしまうような気分に陥ることでしょう。
けれどそれは諦めではなく、線引きです。
わたしはわたし、他人は他人。関わっても放っておいても同じです。
その選択は自分自身の価値観・理想は曲げることにはなりません。
人を変えることは難しく、思い通りにはいかないもの。
責任感のある人ほど自分を追い詰めがちです。
わざわざ関わって、嫌な思いをして、自分の時間と心を削る必要がありますか?
「無駄」と割り切る勇気を持って、怒りを解放してあげましょう。