胸痛=心臓? 胸の痛みを見分けるポイント
- 2017/7/29
- 病状・症状
心配な胸の痛みとは?
急な胸の痛みを経験したことがある方は、思いのほか多いのではないでしょうか。
チクチクしたり、呼吸が苦しくなったり、動悸がしたり、ズキズキしたりとさまざまな痛みがありますが、胸が痛いと「もしかして心臓の病気?」と心配になってしまいますね。
このような痛みは何が原因で起こるのでしょうか。
このような痛みのなかにも、危険な痛みと様子をみてもよい痛みがあるのをご存知ですか?
必ずしも胸痛=心臓ではない
胸痛=心臓、もしくは肺の病気というイメージを持つ方は多いと思います。
しかし、「胸が痛い」という症状に対して考えられる病気は、みなさんが想像しているよりもたくさんあります。
そして、受診や治療が必要な胸痛は実はそれほど多いものではありません。
たとえば、胸痛を引き起こす病気には次のようなものがあります。
【心臓】急性心筋梗塞、狭心症、大動脈解離、不整脈
【肺】気胸、肺塞栓、気管支炎、肺炎
【消化管】胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胆石発作
【皮膚】帯状疱疹
【筋骨格、神経系】咳による筋肉痛、肋間神経痛、肋骨骨折
【心因性】ストレス、不安
心筋梗塞や大動脈解離のようにすぐ命に関わる胸痛もありますが、胸痛を感じた時に多いのは「肋間神経痛」や、風邪に伴うものであれば「咳による筋肉痛」などが多いのです。
咳くらいで痛くなるの? と思うのですが、ひどい咳が続くと思いのほか無理な力が加わるため胸が痛くなることがあります。
肋間神経痛では、ちょっと体勢を変えた時などに急に痛みが走ります。
かなり痛いと感じることもありますが、楽な姿勢でいると次第に治まります。
また、不安やストレスによって胸の痛みや動機を感じるケースも多くあります。
その他、胸周囲の皮膚に発疹が出ていたら帯状疱疹の可能性がありますし、胸が痛いと思っていても実は逆流性食道炎による痛みのこともあります。
危険な胸痛を見分けるポイントは
このように胸痛が起こる原因は様々ですが、やはり胸が痛いと心配になってしまいますね。
急を要する痛みかどうか見分けるポイントをご紹介します。
☑突然強い痛みが起こった
☑今まで感じたことのないような痛み
☑冷や汗が出る
☑休んでいても良くならない、どんどん悪くなる
☑呼吸が苦しい
当てはまる時は、急を要する胸痛の可能性が高いため救急車を呼ぶなどの対応が必要です。
健康診断で心電図とレントゲンのチェックを
胸痛は急を要しない痛みであることも多いので、前述のポイントに当てはまらなければ、落ち着いて自身の状態を観察してみましょう。
皮膚の状態や、その他の症状の有無(風邪を引いている、熱、ゲップなど)、どんな時に痛くなるのか、最近強いストレスや環境の変化はなかったかなどが手掛かりとなります。
もちろんそれだけで全てが分かるわけではありませんが、とても参考になる情報です。
また、早急な治療が必要な胸痛は主に心臓や肺から来ることが多いので、必ず年に一度は健康診断で心電図と胸のレントゲンのチェックを忘れないようにしましょう。