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子育てママ必見! 時短勤務っていつまで利用できるの?
- 2017/4/8
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平日はバリバリ働き、週末はいいお母さんとして家族に尽くす。
そんなワーキングマザーが、皆さんのそばにも一人はいるのではないかと思います。
結婚した後も働いていきたいと思っている女性の皆さんやそんな女性の上司の方々のために、女性の出産と時短についてお伝えいたします。
増え続けるワーキングマザー
結婚したら専業主婦になって、家庭を支えながら子育てをする。
そんなイメージを子どものころに持っていた方もいるかもしれません。
2016年12月に公開された「国民生活基礎調査」のデータによると、18歳未満の子どもを持つ世帯は全世帯数の23.5%(1,181万7,000世帯)。
そのうち、母親が仕事をしている割合は68.1%と、調査を始めた2004年に比べて11%以上上昇しています。
さらに、一番下の子どもの年齢別に見た母親の就労率では、0歳児の母の就労率は約4割。
5歳児になると約7割に上昇し、12歳以上となると約8割の母親が何らかの仕事をしているというのです。
女性は子どもができると仕事を辞める、なんていう考えは昔の話。
しかし、子育てというハードワークの中、フルタイムでの勤務はとてもハードルの高いことです。
多くの企業では優秀な人材の継続確保をするべく、ワーキングマザーへの配慮が求められていることは言うまでもありません。
時短勤務はいつまで利用可能?
そうした事情の中で働く母親のサポートとして、「短時間勤務制度」(以下、時短勤務)を取り入れている企業も少なくありません。
産前産後計14週の出産休業、子どもが原則1歳に達するまでの育児休業については、実は「労働基準法」で認められています。
それに続いて復帰後は「改正育児・介護休業法」によって、子どもが3歳の誕生日を迎えるまで1日の労働時間を6時間(短縮後の所定労働時間は1日5時間45分から6時間)に短縮できる、という短時間育児制度を用意し、就業規則に規定するなどして制度化しなくてはならないと定められています。
この短時間勤務制度は、従業員数101人以上の会社であれば2010年6月30日から、従業員数が100人以下の会社は2012年7月1日から義務化されました。
また、この法定期間はあくまでも最短の期間を示すものです。
実際に育休や時短制度を子どもが何歳になるまで利用できるかといった運用期間は、各企業にゆだねられています。
企業によってはそれ以上に長く時短勤務を認める会社もあるでしょう。
逆に、就業規則に記載はあるものの運用の前例がない、といった企業もあるかもしれません。
各企業の状況等にもよるものの、出産からの3年間は時短として6時間での勤務を行う権利が定められている、ということです。
時短勤務からフルタイムに戻すタイミングは?
では、いつ頃時短勤務からフルタイムに戻すのでしょうか。
これも企業と労働者に託されています。
産後、6ヶ月目から保育園に預け、旦那さんの協力の上でフルタイムに近い状況で働く方もいますし、ぎりぎりまで時短勤務として家庭との両立を図る方もいます。
ご自身の家庭環境等に合わせて復帰のタイミングを選択するとよいでしょう。
働く時間が短くなれば給与も下がる?
では、給料はどうなるのでしょう。
「改正育児・介護休業法」では、短縮された時間に対する賃金の保障までは求められていません。
これについても企業の取り組みは様々です。
純粋にフルタイムの6割の給与を保証する企業もあれば、パート同様、時給換算で概算した給与を支払うという形式をとる企業もあります。
働いていない分は払わない会社が多く、さらに賞与の算定や退職金の勤続勤務年数の算定についても、時短勤務によって働かなかった時間や日数部分を差し引くこともあります。
育児のため、費用が多くかかるにも関わらず、勤務時間が減ることによって収入も減るという負の連鎖は、ワーキングマザーのつらさ、でもあります。
時短でキャリアがストップしないために
時短をすることによって、キャリアがストップする…。
フルタイムで働けない人には、重要な仕事を任せられない…。
そういった意見をもつ人もいることは確かです。
もっと仕事をしたいと思っているからこそ復帰しているのに、キャリアを積んでいくことができないなんて、とてもつらく矛盾したことだと思います。
しかし企業にとっても、前述の通りワーキングマザーは年々増加しており、一概に「仕事を任せられない」という意見を押し通すわけにはいかない状況にあると思います。
「資生堂ショック」という言葉がネットを騒がせたことを覚えている方もいるかもしれません。
2015年のテレビ放送で資生堂が「時短勤務を行う等の育児社員への配慮をやめます」といった内容が流れ、批判が相次いだこの事件。
現在でも誤解をしている人が多くいるように思います。
「時短をする社員に対しての配慮」とはいったいどこを指すのか。
長時間働けない=仕事するチャンスを与えない、という風潮をなくし、もらったチャンスを短時間の中でどれだけ挑戦しクリアしていくかという評価方法に変えようという資生堂の取り組みは、「時短によるキャリアストップ」に悩む女性世代の願いをくみ上げる、先進的な取り組みであったと私は考えています。
働く女性が一生の中でどれだけキャリアを伸ばし、働き続けていくか。
それには会社が「社員が長く勤めていくことができるような体制」に近づいていくほかありません。
どんなに有能な社員であっても、ワークライフバランスが難しい環境であれば、また、本人のキャリアに支障のあるような環境であれば、おそらく転職等の道を取ってしまうことと思います。
68%ものワーキングマザーが働く世の中だからこそ、企業としても体制を見直し、整えてゆく必要があるのではないでしょうか。