厚生労働省は、民間企業や公的機関などにおける、平成28年の「障害者雇用状況」集計結果を公表しました。
障害者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率、民間企業の場合は2.0%)以上の障害者を雇うことを義務付けています。
雇用義務を履行しない事業主に対しては、ハローワークから行政指導が行われることもあります。
そこで今回は現在の日本の障害者雇用状況を見ていきたいと思います。
平成28年度の集計結果
<民間企業>(法定雇用率2.0%)
○雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新。
・雇用障害者数は 47 万4,374.0 人、対 前年4.7%(21,240.5人)増加
・実雇用率1.92%、対前年比0.04ポイント上昇
○法定雇用率達成企業の割合は 48.8%(前年比1.6ポイント上昇)
<公的機関>(同2.3%、都道府県などの教育委員会は2.2%)※( )は前年の値
○雇用障害者数及び実雇用率のいずれも対前年で同程度又は上回る。
・国 :雇用障害者数 7,436.0人(7,371.5人)、実雇用率 2.45%(2.45%)
・都道府県 :雇用障害者数 8,474.0人(8,344.0人)、実雇用率 2.61%(2.58%)
・市町村 :雇用障害者数 2万6,139.5人(2万5,913.5人)、実雇用率 2.43%(2.41%)
・教育委員会:雇用障害者数 1万4,448.5人(1万4,216.5人)、実雇用率 2.18%(2.15%)
<独立行政法人など>(同2.3%)※( )は前年の値
○雇用障害者数及び実雇用率のいずれも対前年で上回る。
・雇用障害者数9,927.0人(9,527.5人)、実雇用率 2.36%(2.32%)
雇用障害者数も実雇用率も前年を上回るか同程度の値となっております。
ただし、民間企業の平均は法定雇用率2.0%を下回っており、
以前50%以上の企業が法定雇用率の達成には至っていません。
障害者雇用率が高い企業
障害者雇用率ランキングのトップ3(2014年度)
1.エフピコ 14.98%(369人)
2.アイエスエフネット 14.55%(468人)
3.エイベックス・グループ・ホールディングス 6.54%(24人)
特にトップ2社は14%を超えていて、かなりの高水準となっています。
法定雇用率の2.0%を超えて採用を増やしており、企業が障害者雇用に力を入れていることが窺えます。
今後の人口減の時代を迎えるにあたり、働き手が減っていくことは必至です。
民間も行政も障害者の積極的な雇用を考えていくことが次の働き手の確保につながるのではないかと思われます。