厚生労働省より「平成27年労働安全衛生調査(実態調査)」が発表されました。
昨今は過密労働やパワハラによる過労自殺が大きな社会問題となっています。
今回の調査結果から、企業がメンタルヘルス対策に対して、どの程度対策を行っているか見ていきましょう。
※今回の調査は、17 大産業に属し、常用労働者を10人以上雇用する民営事業所のうちから無作為に抽出した約 14,000 事業所並びに当該事業所に雇用される常用労働者及び受け入れた派遣労働者のうちから無作為に抽出した約18,000人を調査客体とし、それぞれ 9,223事業所及び 10,335人から得た有効回答を基にしています。
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は6割
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は 59.7%となっていました。
取組内容(複数回答)をみると、
「メンタルヘルス対策に関する事業所内での相談体制の整備」が44.4%と最も多く、
次いで「メンタルヘルス対策に関する労働者への教育研修・情報提供」が42.0%、
「メンタルヘルス対策に関する管理監督者への教育研修・情報提供」が 38.6%となっています。(第6表)
メンタルヘルス対策の取組状況は事業所の規模と比例する形となっており、
1,000人以上では実に99.8%が取り組んでいるのに対し、
10~29人の事業所では52.9%と約半数の割合でした。
メンタルヘルス対策に取り組む事業所は増加中
平成23年は43.6%であった事業者の割合は、平成27年には59.7%となっています。(第1図)
この4年間で16.1%の伸びがありました。
今後のメンタルヘルス対策
企業のメンタルヘルス対策は、年々取組数が増えているようです。
ただし、相談体制の整備を行っていても、実際に過密労働やパワハラについて
社員が相談を行える企業風土ができていないと、単に仕組みだけがあり、
実際の社員の助けとならない可能性があります。
今後もメンタルヘルス対策については、企業により多くの対策が求められることになるでしょう。
それが働く社員の助けになることを願うばかりです。
参考資料
厚生労働省 平成27年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h27-46-50b.html