静かすぎても居心地悪い? 職場の音環境
- 2016/7/22
- 労働環境
無音は集中力が低下する
みなさんの職場はどんな音が聞こえますか?
キーボードを打つ音、電話の話し声、外部からの雑音、中にはヒーリングミュージックを流している職場もあるでしょう。
いろんな音が聞こえてくると、集中力が邪魔されそうと思ってしまいます。
ところが、静かすぎても集中力が欠けるということが研究によって分かっています。
フランスのある脳科学者は、実験で防音壁に囲まれた無音の部屋に動物を入れたところ、集中力が徐々に低下していき、さらに学習能力も低下することを示しました。
静かな環境の方が集中力を低下させるなんて意外な結果ですね。
どんな音が効果的?
みなさんの中にも、仕事や勉強で集中したいときにはカフェ等に行くという人も少なくないでしょう。
こうしたことからも分かるように、適度な音は集中力を高める効果があります。それでは、どんな音が集中力を高めるのか、ご紹介していきましょう。
集中できる音
ホワイトノイズ
雨の音
ヒップホップ系の音楽
ゲームのサウンドトラック
ヒップホップ系の音楽が?と思われるかもしれませんが、一定のリズムとメロディーは集中力を高めるのにとても効果的だといわれています。また、ゲームのサウンドトラックは歌詞がないことに加え、普段からBGMとして耳にしていることから、集中力を高めます。
一方で、気を散らしてしまう音もご紹介します。
気が散る音
テレビ、ラジオの音
波の音
クラシック
ここで意外なのは波の音やクラシックですね。これらはリズムに緩急があるため、気を散らすといわれています。
適度な音楽でα波、β波を促す
とはいえ、ヒップホップやゲームのサウンドトラックのような音楽をどの職場でも流せるわけではないでしょう。
脳の構造から考えると、集中しているときにβ波が発生しますが、これは仕事の生産性をアップさせます。
一方で、β波が出続けている状態は脳に疲労を蓄積させてしまいます。そのため、β波を出し続けたあとは、安らいだ時に発生しやすいα波を促すために、脳に休憩を与えることが必要だと考えられています。
このことから、長時間集中するよりも、適度に10分~15分程度の休憩を取り入れた方が、より集中力が上がるのです。
以上より、β波を促す「集中力を高める音楽」とα波を促す「リラックスできる音楽」を交互に流していくことが生産性を高めるのに効果的だと考えられます。
職場は静かな方がいいと思いがちですが、こういった点から考えると音楽を適度に流すことも検討してみるべきではないでしょうか。