2017年から薬局のレシートは必保管! 新医療費控除を賢く利用しよう
- 2016/10/17
- 健康管理
来年の1月から新しく「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」が始まることをご存知ですか?
これは、特定のOTC医薬品を年間1万2千円以上購入した場合に適用される制度で、給与所得者であっても、確定申告をすることで税金の控除を受けられる制度です。
(OTC医薬品とは、生活者が薬局等で直接購入できる医薬品のこと)
医療用医薬品からの代替を進める観点から、新たに設けられることになりました。
あれ? 今までの医療費控除制度でもOTC医薬品は控除の対象じゃないの? と思った方もいるかもしれませんが、今回の改正で、より多くの方が控除を受けられる可能性が広がります。
従来の医療費控除制度とは?
従来の医療費控除制度では、自分と生計を一にする家族が1年間(1月1日〜12月31日)に自己負担した医療費が10万円を超えた場合に、確定申告をすることで、10万円を超えた部分が控除され、所得税の還付を受けたり住民税の減額を受けられる仕組みでした。
例えば、1つの世帯で1年間に医療機関や薬局で支払った医療費が12万円だとすると、10万円を超えた部分、つまり2万円を所得から控除することができます。
所得税率は年収により異なりますが、例えば20%の方であれば、2万円の20%となる4000円が還付されるとイメージしてください。この医療費には、薬局やドラッグストアで購入した医薬品(風邪薬、胃薬、湿布などのOTC医薬品)を含めることができます。
新しい制度のメリットは?
従来の制度でもOTC医薬品を含められるのであれば、今まで通りでもいいのでは? と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、年間の医療費が10万円を超えるというのはなかなかハードルが高いのです。あくまで自己負担分の合計なので、年に数回風邪や花粉症、歯科への通院を行ったり、薬局で医薬品を購入した程度では10万円を超えません。
また、最近は子どもの医療費が無料の自治体も多いため、家族の人数が多くても10万円に届かない場合が多いと思います。
そこで、来年からの「セルフメディケーション税制」の条件を見てみると、「OTC医薬品を1万2千円以上購入した場合」となっていますので、ぐっとハードルが下がることが分かると思います。
例えば、OTC医薬品を年間で2万円購入した場合、従来の制度では控除を受けることはできませんが、来年からは1万2千円との差額である8000円を所得から控除することができます。先ほどと同じ所得税率20%の方であれば、8000円の20%で1600円が還付されます。
病院に通院することはあまりないけれど、薬局で風邪薬や胃腸薬、花粉症の薬といったものを購入される方にとっては、税金の控除を受けられる可能性が大きくなります。
特例制度は2017年~2021年まで
セルフメディケーション税制は平成29年1月1日から平成33年12月31日まで、従来の医療費控除制度の特例として開始されますので、現行の医療費控除制度はそのまま継続されます。
両方を併用することはできませんので、1年間にかかった医療費に関わる領収書・レシートをきちんと保管して、どちらを利用することができるか判断しましょう。
セルフメディケーション税制の対象となるOTC医薬品には風邪薬、胃腸薬、鼻炎用内服薬、解熱鎮痛剤、水虫用薬などが挙げられますが、厚生労働省のホームページに対象医薬品の一覧がありますので、ぜひ確認してみてくださいね。
厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html