「過労死」という言葉は、日本では当たり前のように目にする言葉ですが、
実は日本国内にとどまらず、英語やフランス語でも「karoshi」や「karōshi」と
呼ばれるようになっており、海外でも認知が進んでいます。
「過労死」とは
長時間の残業や休日なしの勤務を強いられた結果、精神的・肉体的負担により、
労働者が脳・心臓疾患などで突然死することや、過労が原因で自殺することなどを指します。
高齢化が進み、労働時間が長い、あの業種
過労死ワースト1は、【運送業】(職種としては自動車運転従事者)のようです。
平成27年度「過労死等の労災補償状況」でも、脳・心臓疾患に関する事案で
請求件数161件、決定件数96件は全産業中ワースト1との報告があがっています。
厚生労働省の職業病認定対策室は、運送業が過労死の多い業種となった要因として
二つの主な理由を挙げています。
①高齢化が進んでいる
②労働時間が長い
平成25年度に改正高齢者雇用安定法が施行され、希望すれば
60歳を超えて働くことができるようになりました。
高齢者雇用を促進する反面、高齢労働者の増加は、脳・心臓疾患の
高リスク労働者が増えていくことにもなります。
企業の健康管理が重要
そのため、自己の健康管理とともに、職場での安全配慮も重要視されますが、
長時間残業が発生していると、もともと高リスクのある労働者に
更に負荷をかけることになるため、過労死の発生につながっているのです。
労働者の心身の健康状態は、年齢によっても抱えるリスクが変わってきます。
健康診断の結果を確認し、必要な場合は産業医などと連携を取りながら、
健康を害しない働き方を考えていく必要があります。
(参考資料)
厚生労働省