マタハラ相談過去最多! 「マタハラ防止措置」が義務化

妊娠や出産を理由に不利益な取り扱いをする「マタニティー・ハラスメント」などについて、2015年度に全国の労働局にあった労働者からの相談件数は4,762件で、過去最多を2年連続で更新しました。
そのため、年々深刻化する問題を重く見た国はこのほど法改正を行い、企業に「マタハラ防止措置」を2017年より義務づけることになりました。

厚生労働省からの指針案

今年の通常国会で成立した改正男女雇用機会均等法と改正育児介護休業法により、事業主は雇用管理上必要な対策を講じなければならないと規定しています。
具体的にはマタハラに関する指針案では以下のようなことが盛り込まれています。

(1)事業主の方針の明確化およびその周知・啓発
就業規則や服務規律に同方針を明記すると同時に、社内報・社内ホームページで広報する。
マタハラに当たる行為・言動をしたものについては、厳正に対処する必要があるため、就業規則などに懲戒規定を定めておくとしている。

(2)相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
相談・苦情の処理体制の整備では、外部機関に委託するなどにより、あらかじめ受付窓口を設置するようにとしている。
また、相談担当者と人事部門が連携を図って対処したり、相談を受けた場合の留意点を定めたマニュアルを作成して的確に対処すべきとしている。

(3)職場における育児休業等に関するハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応
相談担当者と人事部門は、苦情・相談を受け付けた場合、相談者と行為者の双方から事実関係を確認。
実際にマタハラを確認したら、被害者への配慮と行為者に対する懲戒その他の対応を迅速に行うこととしている。

(4)ハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置
一例として、妊娠・出産などをした労働者の周囲の労働者の業務の偏り軽減や業務効率化を勧めている。

(5)相談者・行為者等のプライバシー保護と相談者や事実関係確認の協力者への不利益取り扱いの禁止
相談への対応またはそのマタニティハラスメントにかかる事後の対応にあたっては、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者に対して周知すること。

2017年1月1日からの施行

これまではマタハラを事業主に禁止していたものの、上司や同僚による嫌がらせは対象外で、マタハラ被害が相次ぐ要因となっていました。
制度改正で厚生労働省は、社内に相談窓口を設けたり防止措置を設け、派遣労働者を受け入れる企業にも義務づけることで、歯止めをかけようとしています。
施行は2017年1月1日からですが、今後の義務化を見据え、貴社でも就業規則等の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

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檜森 哲株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

総務・経理業務の経験から、企業の労働環境を向上できるような記事やトピックをお伝えしていきます。また、昨今の働き方改革に伴う業務効率化についても積極的に情報を発信していきたいと思います。
【保有資格】第一種衛生管理者
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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