会社に内緒の自転車通勤中に事故! 労災はどうなる?
- 2016/1/8
- 労働環境
自転車通勤と労災
健康やエコロジーの観点から自転車の人気が高まり、会社と自宅の距離が数駅程度であれば、自転車で通勤したいと考える人が増えているようです。
健康やエコ、そして通勤電車の混雑にも巻き込まれることがなくメリットの多い自転車ですが、電車やバスなどの公共交通機関と比べると事故に巻き込まれる可能性がぐっと高くなります。
通常、通勤途中のケガや事故は「労災」として認定されますが、自転車で通勤中の事故に関しては、労災が認められるのでしょうか?
自転車通勤を会社が禁止していることも……
前述のように、自転車での通勤は他の交通手段と比べて事故に遭遇しやすいことや駐輪場の確保の問題などから、会社として自転車通勤自体を禁止しているところも多いようです。
そのため、自転車通勤に際しては、まず会社の就業規則を確認する必要があります。
それでは、会社に黙って自転車通勤して事故に遭ってしまった時はどうなるのでしょう?
合理的かどうかが分かれ目
通勤経路での事故やケガは、一般的に「通勤災害」と呼ばれ、通勤災害に該当するかどうかは、その社員が「合理的な通勤経路を通っていたかどうか」で判断されます。
つまり、会社からの帰りに寄り道していたり、まったく関係のないルートを通って帰っていた場合や、会社の帰りに飲みに行った帰りなどの事故は、通勤災害には該当しません。
会社に黙って自転車通勤していた場合ですが、会社が就業規則等で自転車の利用を禁止していたとしても、それはあくまで会社の規則ですので、労災の認定に関しては「自転車の通勤が合理的であったかどうか」が判断の基準となります。例えば、最寄駅から遠く、電車を利用するよりも自転車の方が早い、最寄駅まで自転車を利用する、子どもを保育園に送るまでの区間で自転車を利用するなどのケースでは、自転車の利用が合理的であるため、その区間でのケガや事故は通勤災害として認定されることがあります。
また、健康のために週に数回だけ自転車で通勤した場合でも、経路が合理的であれば(明らかな遠回りでない、途中で他の私用を挟まないなど)認定されるようです。
まずは会社に確認を
会社に申請した通勤経路と違っていても、客観的に合理的であれば、労災認定される可能性はあります。
とはいえ、会社として規則があるわけですから、会社の規則に反していることは間違いありません。
労災が認定されても会社から何かしらペナルティを課せられる可能性も十分あります。
自転車利用の増加と共に、事故やマナーが問題となっている昨今、通勤手段として利用する場合は必ず各々の会社に確認をし、許可を得た上で利用するようにしたいものです。