先日、過重労働により命を絶ったニュースが世間を騒がせました。
そこで問題視されたのが「残業」です。
政府による「残業規制」
政府は今年12月から、労使の代表者や有識者を交え、「働き方改革実現会議」を
行うとのことです。この会議にて、時間外労働の上限設定や違反した企業への罰則を
明確化し、残業規制を本格化させることを目標としています。
加藤勝信働き方改革担当相は、「働きすぎで尊い命を落とすことがないよう長時間労働を
是正していく」と述べており、緊急性の高い課題として、捉えられています。
今回の過重労働による自殺のニュースに対して、今までとは違った動きが期待できそうです。
残業規制、本当の目的は?
政府が残業規制することで目的としていることは以下の3つだと考えられています。
非正規の短時間雇用を増やすこと
この働き方を増やすことで、職場の掛け持ちを可能にし、多様な働き方が生まれます。
雇う人数を増やすこと
職場の掛け持ちをすることで、自然と雇われる人数が増えます。
賃金への不満をなくす
どのような働き方でも、同一労働同一賃金にすることで、賃金への不満をなくし、
離職率を下げようとすることを目的としています。
このような目的がある中で、本格的に残業規制に力を入れ始めた政府。
こういった政府の動きによって残業は果たしてなくなるのでしょうか。
仕事ではなく人についてくる「残業」
残業には仕事量だけの問題ではなく、働く人本人についてくる問題ということもあります。
職場が変わっても、仕事が変わっても、仕事を減らしても残業が減らない人がなかにはいます。
残業が減らない理由は、仕事の効率が良くないという以外にもいくつかあります。
例えば、仕事熱心な人の場合は「仕事が気になって帰れない」
中には、「仕事以外にやることがない」「残業代がないと生活が厳しい」
そんな声も、労働者からは上がります。
もちろん、労働者それぞれに考え方や仕事のやり方、生活環境があるため、強くは言えませんが、
組織内全体で「残業が多い人は仕事熱心な人」から「残業がない人は仕事が速い人」といった
評価の仕方にしなければ、残業は減らすことができないと考えられます。
残業削減実現のために
政府の残業規制だけでは、「サービス残業」や「持ち帰り残業」といった
正しいとは言えない残業が増えることも懸念されます。
「誰かだけ」が残業規制することを意識していても実現は難しく、
労働者、管理者、雇用主のすべての人たちが意識することで、
はじめて残業削減が実現するのではないでしょうか。