バイト・パートでも有給が取れるって本当?

アルバイトの大学生から有給申請はアリ!?

あなたは某チェーンの飲食店で雇われている店長です。
ある日、大学生アルバイトのAさんよりある相談を受けました。

「店長、わたし来月の土曜日にお休みをいただきたいんですが……」

Aさんは毎週土曜日と日曜日に、10時から16時まで出勤しているアルバイトで、雇い入れてからちょうど半年が経過したところです。
Aさんは働いてから毎週土日に必ず勤務してくれていたので、休みを希望するなんて珍しいなとあなたは思いつつ、申請を許可しました。
すると、Aさんより「アルバイトでも有給が使えるって聞いたので、その日は有給にしてください」と言われました。
はたしてAさんの有給申請は認められるのでしょうか?

アルバイトやパート社員でも有給休暇は付与される!

答えは、イエスです。

有給休暇については、通常付与と比例付与があります。
今回は、比例付与について紹介いたします。

有給休暇の比例付与は、①週の労働時間が30時間未満で、所定労働日数が週4日以下 または2年間所定労働日数が216日以下の労働者を対象としています。

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※全労働日の8割以上勤務したものに限り適用されます。

上の例で紹介した大学生アルバイトのAさんは、年に3日間の有給休暇が付与されることになります。

通常の労働者と同じく勤続年数によって付与日数が増えていきますが、週に何日働いているかで付与される日数が違うことがポイントです。

例えば、Aさんと同じ時期に雇用したアルバイトのBさんは、週に4日3時間勤務しているとします。
この場合、Bさんは7日間の有給休暇が付与されることになります。

また、パート社員・アルバイトに係わらず、有給休暇は翌年度に限り繰り越すことができます。

シフト制で働くアルバイト・パート社員の有給

週の所定労働日数とはいっても、アルバイトやパート社員の多くがシフト制で勤務していて、一週間の勤務日数は週によってバラつきがあることがほとんどですよね。
その場合、有給休暇の付与日数はどうなるのでしょうか。

週の所定日数で付与するのか、年間の所定日数で付与するのかどちらか選ぶことができます。
週の所定日数で付与する場合は、実際に勤務した半年間の労働日数の平均を出します。

半年間で、一週間で何日くらい働いているのか平均を出し、その平均値に合わせた日数で有給休暇の比例付与します。
または、年間の予定出勤日数で付与することもできます。
週の平均で付与するのか、年の予定労働日数で付与するのか、あらかじめ会社で決めておくといいでしょう。

また、有給休暇は「出勤日」にのみしか使用することができません。

つまり勤務表が決まらなければ、アルバイト・パート社員も有給休暇を使用することができません。

たとえば、アルバイトのAさんは来月の8月5日(土)に有給を申請しました。この場合は勤務表を作成する際に、5日を出勤日として設定し、有給を充てることになります。
毎月の勤務表を作成するときは、アルバイト・パート社員に休日希望日をきき、有給を使用するか確認するとスムーズでしょう。

産休・育休明けのパート社員にも有給はある

先日の記事で、時短勤務者の有給休暇について紹介しました。
関連記事:産休や育休で有給休暇は減ってしまう?

アルバイトやパート社員にも、もちろん産休・育休取得の権利はあります。
では、産休・育休から復帰後に有給休暇は与えられるのでしょうか。
アルバイトやパート社員も産休・育休した期間は出勤したものとみなされるので復帰後に、所定労働日数に比例して有給休暇が付与されます。
年度をまたいで休業から復帰した場合は、休業中に付与された有給と、新たに付与された有給の合計が復帰後の有給日数となります。

有給休暇は、一定の要件を満たしたすべての働く人に与えられる権利です。
半年以上連続して勤務していて、8割以上の出勤していれば予定の労働日数に応じた有給休暇を与えなければなりません。
年度半ばで労働日数が増えたとしても、有給日数を見直す必要はありませんが、会社の就業規則等で増加しても問題ありません。

「アルバイトやパート社員に有給なんて存在しない!」と一蹴してしまうと、罰せられる可能性は十分にあります。

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