厚生労働省は、このたび、文部科学省と連携して、学生アルバイトの多い業界団体に対し、
労働基準関係法令の遵守のほか、シフト設定などの課題解決に向けた自主的な点検の実施を要請しました。
また、この要請に先立ち、厚生労働省は、一般社団法人日本経済団体連合会、日本商工会議所、
全国中小企業団体中央会に対しても労働基準関係法令の遵守や、シフト設定などの課題への配慮についての要請を行いました。
要請の内容
要請の内容は大きく分けて下記の2つです。
1.労働契約の締結の際の労働条件の明示、賃金の適正な支払い、休憩時間の付与などの労働基準関係法令を遵守すること。
2.学生の本分である学業とアルバイトの適切な両立のためのシフト設定などの課題へ配慮すること。
主な要請先
・学習塾業界
…NPO法人学習塾全国連合協議会、私塾共同組合連合会、全国学習塾協同組合等。
・その他の業界
…一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会、一般社団法人日本スーパーマーケット協会、日本チェーンストア協会等。
学生アルバイトの多い業界団体ということで、主に要請先として上記らが上げられていました。
大学生のアルバイト意識調査が発端
これらの要請は、2015年8月下旬から9月にかけて実施した「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査」の調査結果を踏まえ、
学生アルバイトの労働条件の確保に向けた取組強化の一環として行ったものです。
この調査では、労働条件の明示が適切になされなかった、準備や片付けの時間に賃金が支払われなかったなど、
労働基準関係法令違反のおそれがある回答がありました。
また、採用時に合意した以上のシフトを入れられた、試験期間にシフトを入れられたなど、
学業とアルバイトの適切な両立への影響が疑われるものもありました。
学生を企業はどう活用すべきか?
厚生労働省では、今後も、大学生などに対する労働基準関係法令の周知・啓発や相談への的確な対応など、
学生アルバイトの労働条件の確保に向けた取組を強化していくようです。
なお、労働時間、賃金その他の労務管理に関する事項について、
労働者、事業主や企業の労務管理を担当している方々が活用できるよう、
労働ポータルサイト「確かめよう 労働条件」で情報発信が行われています。
これらのサイトなどを参考にしながら、学生アルバイトのあり方について、改めて各社で考えていきたいものです。