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休んでいても出社扱いになる会社
- 2018/11/26
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はじめに
いつの間にやら「働き方改革」という言葉がすっかり耳になじんでしまいました。
国の旗振りのもと、改革実現に向けてさまざまな政策が実施されている一方で、長時間労働やサービス残業など、未だ日本社会は働きやすい環境が整っているとはいえないのが現状かと思います。
また、人手不足という背景も手伝って、一人ひとりの業務量や業務時間(残業時間)削減が難しく、なかなか働き方改革に向けた取り組みができない企業も多いのではないでしょうか。
今回は、企業が取り組んでいる「働き方改革」の実例を紹介させていただきます。
憂鬱な月曜日対策
1週間が始まる月曜日。
憂鬱な気分になることも多いですよね。
月曜日の朝ゆっくり出来たらいいのに! と思ったことはありませんか?
株式会社オウケイウェイヴでは、月曜日の午前中に休んでいても「出社扱い」にする取り組みを2018年10月から始めました。
導入にいたった経緯には、休み明けの出勤日の午前中における生産性の低さ、休みと仕事の切り替えに心身の調整をする余裕が必要だとする研究があったそうです。
本当に出社しなくても大丈夫?
会社側から「午前中に休んでも出社扱いにする」といわれても業務や取引先のことを考えると不可能なのが実態ではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし同社では、以下の点を踏まえて、この制度の導入にいたりました。
① 事前に勤務状況の調査をおこなう
制度導入前に、会社がきちんとその時間帯の勤務状況を調査し、外出や会議が少ないことを確認してから導入を決定しました。
② 問い合わせ業務は月曜日の午前中にしなくてもよい
取引先や顧客対応に迅速な対応が求められる日本社会では、「休んでいる間に連絡がきたらどうするのか」という意見も多いと思います。
しかし、同社では、「月曜日の午前中に対応するという規約・契約にはなっていない」とし、無理に同時間帯に対応しなくてもよいとしています。
このように、従業員に負担がかからないよう配慮したうえで制度に取り組んでいるのです。
休み明けに○○することのメリット
月曜日の午前は、ほかの曜日に比べて心臓にかかる負担が高まるとういう研究が旭労災病院の研究チームによって発表されています。
同時間には、労働者の心筋梗塞や脳卒中の発症が多く、同病院長は「心疾患などを減らすために月曜日の仕事量を減らすべきだ」と述べています。
また、繰り返しにはなりますが、「休み明けの出勤日の午前中における生産性の低さ」は専門家によって研究が進んでいます。
多くの企業で「生産性を高める」といわれているかと思いますが、月曜日の午前中を休みにすることによって生産性の向上も期待できるのではないでしょうか。
さまざまなものが多様化されているなかで、働き方にも少しずつ変化や多様化がみられるようになりました。
働き方の多様化は今後さらに必要とされることでしょう。
働きやすい職場にするために、みなさんも何らかの取り組みを考えていただければと思います。
<参考>
・ 「オウケイウェイヴ、10月より、月曜午前中に“営業休”を導入」(株式会社オウケイウェイヴ)
・ 「「職場高血圧に関する調査研究結果の概要~月曜日の午前に要注意!~」当機構よりお知らせ」(兵庫産業保健総合支援センター)