日々、新型コロナウイルス感染症の感染予防をされていると思いますが、ひとりひとりの感染予防に加え、職場単位での感染予防もますます重要になってきています。
しかし、これ以上感染予防は何をすればいいのか、実際に感染者が出たらどうすればいいのか、悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
厚生労働省は、8月7日に「職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防、健康管理の強化」について、経済団体などに再度協力を依頼しました。
この件について、今回は詳しく解説していきます。
集団感染事例を確認する
8月7日の「職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防、健康管理の強化について」では、5月14日の「職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防、健康管理の強化について」にはなかった、職場における集団感染の事例が記載されています。
他事業場での集団感染事例を確認することは、自社における新型コロナウイルス感染症の感染予防に取り組むにあたり参考になると思います。
たとえば、事業場(執務室) 多数の労働者が勤務する執務室内で集団感染が発生した場合。
室内に多数の労働者が勤務をしなければいけない状況は、多々あると思いますが、上記の事例で原因として考えられることは、換気・消毒の不十分、席の密接、マスク着用の怠りがあげられています。
以前から感染原因として挙げられていることばかりですが、いざとなると職場で対策を実践できておらず、実際に集団感染が発生しています。
「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」を参考にして感染原因となるものをつぶしていくことが大切です。
※チェックリストは、厚生労働省のページからダウンロードできます。
新型コロナウイルス感染症の労災認定事例を確認する
実際に、新型コロナウイルス感染症に感染した場合、労災認定は降りるのでしょうか?
8月7日の「職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防、健康管理の強化」では集団感染事例だけではなく、感染後の労災認定された事例も記載されています。
そのなかの事例のひとつをご紹介します。
飲食店店員のEさんは、店内での業務に従事していたが、新型コロナウイルス感染者が店舗に来店していたことが確認されたことから、PCR検査を受けたところ新型コロナウイルス感染陽性と判定された。
また、労働基準監督署における調査の結果、Eさん以外にも同時期に複数の同僚労働者の感染が確認され、クラスターが発生したと認められた。
以上の経過から、Eさんは新型コロナウイルスに感染しており、感染経路が特定され、感染源が業務に内在していたことが明らかであると判断されたことから、支給決定された。
新型コロナウイルス感染症の労災認定の考え方のなかに「感染源が業務に内在していることが明らかな場合は、労災保険給付の対象となる」というものあります。
この事例では、Aさんが新型コロナウイルスに感染しており、感染経路が特定され、感染源が業務に内在していたことが明らかであると判断されたことから、労災認定となりました。
新しい生活様式の実践例を確認する
新型コロナウイルスが日本で猛威を振るいはじめ、半年以上が立ち、新型コロナウイルスに対応した新しい生活様式を求められています。
今回、厚生労働省から紹介されている「新しい生活様式(生活スタイル)の実践例」などを確認して労働者に周知し、参考にして、新型コロナウイルスに対応しましょう。
働き方の新しいスタイルでは、テレワークやローテーション勤務、電車での人込みを避ける時差出勤等のオフィスでの実践例のほかに、一個々でできる、基本的な感染対策なども紹介されています。
これからインフルエンザも流行する時期に差し掛かりますので、労働者に周知することが大切です。
<参考>
・ 厚生労働省「職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防、健康管理の強化について、経済団体などに再度協力を依頼しました」
・ 厚生労働省「8月7日付け職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防、健康管理の強化について」