職場でいじめにあったら
- 2018/11/26
- 労働環境
今回は、厚生労働省から毎年公表されている「個別労働紛争解決制度の施行状況」をもとにお話させていただきます。
個別労働紛争解決制度とは
個別労働紛争解決制度とは、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、早期に解決を図るための制度です。
この制度には、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」といった3つの紛争解決方法があります。
詳細は、以下の記事をご参照ください。
「困った時の窓口 〜労働紛争解決制度ってご存知ですか?〜」(産業保健新聞)
総合労働相談件数 10年連続で100万件超過
2018年6月に公表された「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によれば、2017年度の総合労働相談件数は110万5,000件で、10年連続で100万件を超えています。
このうち、法制度の問い合わせは約70万件、労働基準法などの違反の疑いがあるものは約20万件で、労働基準監督署や公共職業安定所などに取り次がれ、関係法令に基づく行政指導などが行われています。
また、民事上の個別労働紛争の相談件数は約25万件、あっせん申請件数は約 5,000件で、いずれも前年度にくらべて減少している一方で、助言・指導申出件数は約 9,200件と、前年比で増加しました。
いじめ・嫌がらせ相談が増加
民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請の内訳をみると「いじめ・嫌がらせ」が数年にわたってトップとなっています。
- 民事上の個別労働紛争の相談件数では、約72,000件で6年連続トップ
- 助言・指導の申出は、約2,200件で5年連続トップ
- あっせんの申請は、約1,500件で4年連続トップ
一人で抱えず相談を
もし、社内でいじめにあった際は、社内で信用できる方や社内相談窓口を利用することをおすすめします。
「会社や労働組合に相談窓口がない」、「相談したけれども取り合ってくれなかった」という場合は、公的相談機関を利用してみましょう。
厚生労働省あかるい職場応援団のウェブサイトでは、公的相談機関の一覧を公開しています。
「相談窓口のご案内」(厚生労働省あかるい職場応援団)
また、厚生労働省徳島労働局「職場でいじめ被害にあったら」には、職場でいじめにあったときの対処法が記載されています。
あわせてご活用ください。
「職場でいじめ被害にあったら」(厚生労働省徳島労働局)
<参考>
・ 「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」(厚生労働省)
・ 「相談窓口のご案内」(厚生労働省あかるい職場応援団)
・ 「職場でいじめ被害にあったら」(厚生労働省徳島労働局)