人員不足63%・女性活躍に課題72.7%|企業の女性活躍推進の現状と対策【東商調査】
- 2026/2/6
- WOMAN

2025年12月12日、東京商工会議所は「企業の女性活躍推進の取り組み状況に関するアンケート」の結果を公表しました。
本調査は、女性活躍推進法成立から10年が経過したことを踏まえ、企業の女性活躍推進の取り組み状況・課題を把握するために実施したものです。
従業員の女性比率の高い(常用労働者の50%以上)企業の取り組みや特徴・課題について焦点を当てて解説します。
アンケ―ト結果
調査概要
(1)目的:女性活躍推進法成立から10年が経過したことを踏まえ、「企業の女性活躍推進の取り組み状況」について調査を実施
(2)調査期間:2025年10月28日~11月19日
(3)調査方法:Webアンケートシステムを利用
(4)調査対象:企業の経営層、人事担当者等
(5)回答数:689社
(6)その他:本調査結果では小数点第2位で四捨五入しているため、単一回答の質問では合計が100にならない場合がある。
引用元:東京商工会議所「企業の女性活躍推進の取り組み状況に関するアンケート」
人員の充足状況
「人員が不足している」と回答した企業は全体の63.0%でした。
業種別にみると、「人員が不足している」と回答した割合の大きい企業順に、運輸業(88.2%)、建設業(83.2%)、宿泊・飲食業(69.2%)、情報通信・情報サービス業(66.7%)、介護・看護業(66.7%)となりました。

出所:東京商工会議所「企業の女性活躍推進の取り組み状況に関するアンケート」
従業員の女性比率の高い(常用労働者の50%以上)企業の特徴
女性比率が高い企業での人員の充足状況を見てみると、「人員が不足している」と回答したのは、「女性比率 常用労働者の50%以上」で46.7%、「女性比率 常用労働者の60%以上」で61.5%、「女性比率 常用労働者の70%以上」で55.3%、「女性比率 常用労働者の80%以上」で43.9%と、人員の不足感には大きなばらつきがありました。
人材を採用する際に重視する、 身につけておいて欲しい能力・知識・経験
「社会人としての 心得(身だしなみ、挨拶、言葉遣い、態度 等)」が30.1%と一番多く、続いて「パソコン(Word、Excel、パワーポイント作成等)を使いこなす能力」が20.6%、「勤務先の会社に関する知識(経営方針、沿革、取扱製品、サービス内容)」が8.3%でした。
「社会人としての 心得(身だしなみ、挨拶、言葉遣い、態度 等)」と「パソコン(Word、Excel、パワーポイント作成等)を使いこなす能力」が、「勤務先の会社に関する知識(経営方針、沿革、取扱製品、サービス内容)」と10ポイント以上の差をつけており、多くの企業で求められていることがわかります。
従業員の女性比率の高い(常用労働者の50%以上)企業の特徴
女性比率が高い企業は、女性比率が低い企業に比べて、「生成AIを使いこなす能力」を重視する傾向が高いことがわかります。

出所:東京商工会議所「企業の女性活躍推進の取り組み状況に関するアンケート」
採用定着に向けて特にアピールしていること
「社風、職場の雰囲気の良さ、コミュニケーションの活発さの発信」が15.5%と一番多く、続いて「働き方改革、ワーク・ライフ・バランス (年休取得状況、時間外労働の状況など)の推進」が13.4%、「賃上げなど処遇の改善(初任給、賞与、手当などの引き上げを含む)」が12.3%でした。
従業員の女性比率の高い(常用労働者の50%以上)企業の特徴
「採用定着のために注力していることとして、女性比率の高い企業では女性比率が低い企業に比べて、「仕事内容・責任の範囲の明確化」、「多様な働き方が選択可能」、「自社事業の社会への貢献度の発信」、「出産・育児・介護等との両立支援が充実している」、「多様な人材が活躍している状況の発信」の回答が多いです。

出所:東京商工会議所「企業の女性活躍推進の取り組み状況に関するアンケート」
女性活躍・キャリアアップ支援に関する課題
全体の72.7%が何らかの課題を抱えていることがわかりました。
具体的な課題として、「本人が現状以上の活躍を望まない」が25.1%、「育成のための仕組みやノウハウが不足している(研修等)」が15.2%、「管理職の指導力が不足」が10.2%と多くの回答を得ています。

出所:東京商工会議所「企業の女性活躍推進の取り組み状況に関するアンケート」
従業員の女性比率の高い(常用労働者の50%以上)企業の特徴
「社内に性別役割分担意識等の無意識の思い込みが存在する」の回答割合が低い結果となりました。
また、「育成のための仕組みやノウハウが不足している」、「管理職の指導力が不足」、「出産・育児などと両立できる体制・制度が不十分」を課題と感じている割合は全体平均と同程度でした。

出所:東京商工会議所「企業の女性活躍推進の取り組み状況に関するアンケート」
女性社員の活躍推進に向けた取り組みの具体例
女性比率の高い企業では、女性社員の活躍推進に向けた取り組み状況で、 「採用・配置」、「働き方改革」、「両立支援」、「職場の意識改革」、「育成・キャリアアップ」、「働く環境の整備、認定制度等の活用」で、「十分に取り組んでいる(90%以上の進捗・成果)」と回答した企業が多い結果となりました。
また、女性社員の活躍推進に向けた取り組みの具体例としては以下の回答がありました。
採用・配置:
・女性が活躍できる職場であることを求人情報・HP等へ掲載し積極的に広報している。
・男性中心だった職域へ積極的に女性を配置している。
働き方改革:
・フレックスタイム制やリモートワーク、時間単位年休、柔軟な短時間勤務制度等、多様な働き方に対応した制度を導入している。
両立支援:
・社員の仕事と育児・介護の両立支援に取り組み積極的に広報している。
職場の意識改革:
・経営トップから性別役割分担意識等の職場風土を変えていくための声掛けや意思表示がなされている。
・マタハラ・パワハラ防止に向けた職場研修を実施している。
育成・キャリアアップ:
・メンター制度の導入など先輩社員が後輩社員に対してキャリアやライフワークバランス等について個別に支援する取り組みを行っている。
・従業員への人事評価では勤務時間だけでなく時間あたり生産性も重視している。
働く環境の整備、認定制度等の活用:
・性別に配慮された設備(女性専用トイレ・更衣室等)が整備されている。
・女性活躍推 進等に関する認定や表彰(くるみん、えるぼし、東京都女性活躍推進大賞等)を受けている。
・認定を受けていることを対外公表している。
女性比率の高い企業の課題
女性比率の高い企業では、女性比率の低い企業と比べ、女性活躍・キャリアアップ支援が充実していると感じている割合が高いことわかりました。
しかし、「課題は感じていない」の回答が多い一方で、「育成のための仕組みノウハウが不足」「管理職の指導力不足」「出産・育児との両立できる体制・制度が不十分」を課題と感じている回答割合は全体平均と同程度であり、女性比率の高い企業でも依然として課題となっています。
共働き世帯が多くなっている中、企業での女性活躍推進の取り組みは重要となります。
また、女性活躍推進の取り組みをうまくアピールすることで、従業員の採用や定着の対策にもつながることでしょう。
<参考>
・東京商工会議所「企業の女性活躍推進の取り組み状況に関するアンケート」



















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