空気が冷たく、乾燥する時期になってきましたね。
この時期に注意していただきたいのが「食中毒」です。
「あれ?食中毒って梅雨のジメジメした時期じゃなかったっけ……?」と思われた方、大正解です。
梅雨の時期には食中毒予防の注意喚起があらゆるところで行われていますよね。
梅雨のジメジメした時期と冬の乾燥した時期。
この正反対な季節に同じ病気が流行る理由がもちろんあるので、今回はそれをお伝えしていきます。
実は年間を通じて発生している「食中毒」
直近5年間の食中毒発生件数は変動があるものの、700~1,400件の幅で推移しており、令和3年の食中毒は717件(患者数:11,080人)報告されています。
梅雨の時期と夏の時期は湿度や気温が高く、細菌が繁殖するのにはもってこいの環境であるため、細菌性の食中毒の発生件数が増加する傾向にあります。
対して、冬の時期はウイルス性の食中毒の発生が見られます。
また、春や秋には他の時期に比べて自然毒による食中毒が多く発生します。
きのこ狩りに行かれる方が多い季節というのも関係があるかもしれませんね。
最近、ニュースなどで耳にする、アニサキスなどの寄生虫による食中毒は年間を通して発生しています。
このように、それぞれピーク期はあるものの、食中毒は年間を通して発生しているので、日頃から予防を心がける必要性があります。
時期によってちがうのは〇〇
さて、先ほどから「ウイルス」「細菌」「自然毒」などという言葉が出てきて、お気づきの方も多いかもしれませんが、食中毒は原因によって流行時期が異なっているのです。
例えば、ウイルス性の食中毒は年間を通して発生しているものの、流行時期である冬に発生数が多くなります。
食中毒というと、飲食店での食事がニュースになることが多いですが、実は、毎日食べている家庭の食事でも発生しています。
普段、当たり前にしていることが、思わぬ食中毒を引き起こすこともあるのです。
「食中毒」の予防三原則はこれ!
【原則1】つけない
私たちの手には、目には見えないさまざまな雑菌が付着しています。
食中毒の原因菌が食べ物に付かないように、手洗いの習慣をつけましょう。
特に、調理を始める前、生の肉や魚・卵などを取り扱う前後や調理の途中、トイレの後、動物に触れた後、食卓につく前、残った食品を扱う前などです。
また、手だけでなく、生の肉や魚などを調理したまな板などの器具から、野菜などへ菌が付着しないようにまな板・包丁を分けると衛生的ですね。
飲み終わった牛乳のパックをきれいに洗って使い捨てまな板として使う方法もあります。
また、調理の際も、生の肉をつかむ物と焼けた肉をつかむ物は別にしましょう。
食品の保管の際にも、他の食品に付いた細菌が食べ物に付着しないよう、食べ物は密封容器に入れたり、ラップをかけたりすることが大事です。
【原則2】増やさない
食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。
肉や魚などの生鮮食品、お総菜などは、購入したらできるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
運搬の際も保冷バックなどを活用すると、より安心です。
なお、冷蔵庫に入れても細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず早めに食べきりましょう。
【原則3】やっつける
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。
特に肉料理は中心までよく加熱することが重要です。
ふきん、まな板、包丁、菜箸などの調理器具にも細菌やウイルスが付着しています。
特に肉や魚・卵などを使った後の調理器具は、洗剤でよく洗ってから熱湯をかけて殺菌しましょう。