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若者雇用促進法に基づく「事業主等指針」改正
- 2021/9/28
- ドクタートラストニュース
2021年4月30日、厚生労働省は、青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関する事業主等が講ずべき措置について規定されている「事業主等指針」(若者雇用促進法7条の規定に基づくもの)を改正し、近年問題となった留意点について、事業主等が講ずべき措置を新たに定めました。
以下では、今回の改正内容などをわかりやすく解説します。
若者雇用促進法とは
「事業主等指針」の改正内容を確認する前に改めて若者雇用促進法を確認してみましょう。
若者雇用促進法(「青少年の雇用の促進等に関する法律」)とは、若者の雇用の促進等を図り、その能力を有効に発揮できる環境を整備するため、若者の適職の選択並びに職業能力の開発および向上に関する措置などを総合的に講ずる「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律」を指し、2015年9月18日に公布され、同年10月1日から順次施行されています。
若者雇用促進法の主な内容は下記の3つです。
① 職場情報の積極的な提供
新卒段階でのミスマッチによる早期離職を解消し、若者が充実した職業人生を歩んでいくため、労働条件を的確に伝えることに加えて、若者雇用促進法において、平均勤続年数や研修の有無および内容といった勤労実態等の職場情報もあわせて提供するしくみを創設しました。
② ハローワークにおける求人不受理
ハローワークにおいて、一定の労働関係法違反があった事業所を新卒者等に紹介することのないよう、こうした事業所の新卒求人を一定期間受け付けないしくみを創設しました。
③ ユースエール認定制度
若者雇用促進法において、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況等が優良な中小企業について、厚生労働大臣が「ユースエール認定企業」として認定する制度を創設しました。
改正内容
さて、本題の事業主等指針の改正内容についてみていきましょう。
今回の改正では、事業主等が青少年の募集及び採用に当たって講ずべき措置、事業主が青少年の職場への定着促進のために講ずべき措置として次の事項を追加されました。
① 募集情報等提供事業者・募集者等における個人情報の管理
② 就活生等に対するハラスメント問題への対応
③ 内定辞退等勧奨の防止
④ 公平・公正な就職機会の提供
事業主としての対応
今回の改正で事業主としてはどのような対応が必要なのでしょうか。
4つの追加内容ごとにみていきます。
① 募集情報等提供事業者・募集者等における個人情報の管理
募集情報等提供事業者は、職業安定法に基づく職業紹介事業者等指針第4に基づき求職者等の個人情報を適切に取り扱うことが必要です。
また、募集者等についても同様の対応が求められます。
② 就活生等に対するハラスメント問題への対応
事業主は、雇用する労働者が、就職活動中の学生やインターンシップを行っている者等に対する言動について、必要な注意を払うよう配慮すること等が望ましいです。
また、事業主は、パワーハラスメント指針等に基づき、職場におけるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメントならびに妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメントの防止のため、雇用管理上の措置を講ずる必要があります。
③ 内定辞退等勧奨の防止
採用内定者について、労働契約が成立したと認められる場合には、当該採用内定者に対して、自由な意思決定を妨げるような内定辞退の勧奨は、違法な権利侵害に当たるおそれがあることから行わないこととします。
④ 公平・公正な就職機会の提供
採用内定または採用内々定と引替えに、他の事業主に対する就職活動を取りやめるよう強要すること等の青少年の職業選択の自由を妨げる行為等については、青少年に対する公平・公正な就職機会の提供の観点から行わないこととします。
こうしてみてみると、事業主として当然対応しなければならない内容ですが、今回の改正で改めて事業主が青少年の雇用機会の確保や職場への定着を念頭に置いて対応していく必要があります。
このような法律があることを多くの若者が知り、雇用の確保や職場の定着につながることを願っています。
【参考】
厚生労働省「若者雇用促進法に基づく「事業主指針」を改正しました」