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看護休暇や介護休暇が時間単位で取得できるようになりました
- 2021/2/24
- ドクタートラストニュース
改正育児・介護休業法施⾏規則などが1月1日に施行され、育児や介護を行う労働者が、子の看護休暇や介護休暇を時間単位で取得することができるようになりました。
今回は、従前との変更点などをわかりやすく解説します。
時間単位での取得が可能に
改正前の看護休暇、介護休暇の取得条件は以下の通りでした。
・ 半日単位での取得
・ 1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は取得できない。
今回の改正で上記2点が以下のように変更されました。
・ 時間単位での取得が可能
・ すべての労働者が取得できる
改正の注意点
「時間単位」とは1時間の正倍数の時間を言い、労働者からの申し出に応じ、労働者の希望する時間数で取得できるようにしなくてはいけません。
また、法令で求められているのは「中抜け」なしの時間単位休暇ですが、法を上回る制度として「中抜け」ありの休暇取得を認めるよう企業側に配慮が求められています。
なお、現在「中抜け」ありの休暇を導入している企業が「中抜け」なしの休暇とすることは労働者にとって不利益な労働条件の変更となります。
ただし、半日、または時間単位での取得が困難と認められる業務に従事する労働者について、半日または時間単位での取得を除外する労使協定を締結している場合は対象の労働者は1日単位でのみ取得可能となります。
育児離職・介護離職を防ぐために
2017年に厚生労働省が発表した「雇用動向調査」によると、年間約735万人の離職者のうちわけでは「結婚」「出産・育児」「介護」がそれぞれ約2%を占めています。
産休・育休は耳馴染みのある言葉になりつつありますが、男女共に、更に制度を活用しやすくなるような環境・組織作りが求められます。
また、介護制度の活用者は全体の約5%と非常に低く、男性の育休同様に、周囲の理解不足・給与面での不安・キャリア構築に向けての説明不足など、利用に向けて幾つもの心理的ハードルがあると予想されます。
介護による離職の割合は非常に高く、年間約9万人が介護を理由に退職に至っています。
特に男性の介護離職率は年々増加傾向にあり、10年前と比較するとおよそ5,000人からおよそ35,000人へと、実におよそ7倍に増加しています。
男女合わせると、介護離職の人数は約5万人から約9万人に増えており、企業にとって中堅となる30代後半から50代の方が介護を理由に離職してしまうことは損失でしかありません。
今回の改正は・女性の復職率向上を図るとともに、介護離職を減らすための取り組みでもあります。
「働き方改革」の実現に向けて
「働き方改革」では、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの課題解決に向けて、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。
育児や介護に関する制度について「すでに自社で制度を取り入れていて、公表もしているはずなのに利用者が増えない」といった悩みを持つ企業担当者は少なくありません。
一方では、イクボス制度の表彰、ガイドブックの作成、新入社員研修でのアナウンスなど、多岐におよぶ取り組みを実施し、実際に成果につながっている企業もあります。
ドクタートラストでは、本制度について理解を高めるため、以下のセミナーを実施しています。
・ 現行制度に対するご説明
・ 企業の規定に合わせた制度利用についてのご説明
・ 利用しやすくなるような職場環境作りに向けて(管理職・役職者向け/一般従業員向け)
・ くるみん認定に向けて
専門職によるセミナーを実施することで、制度の説明および利用に向けた取り組みのお手伝いをしていますので、お気軽にご相談ください!
<参考>
厚生労働省「育児・介護休業法について」